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Wednesday, March 17, 2021

大好きな祖父との別れがオンラインに…悔しさ変えてくれた最後の教え - withnews

andisendi.blogspot.com
大好きだった祖父との最後の別れが、新型コロナウイルスの影響でオンラインに。マンガ投稿サービスを運営する「コミチ」とwithnewsがコラボし、「#わたしの別れ話」をテーマに作品を募集。大賞を受賞したシャンプーさんは、昨年の祖父の葬儀に直接参列することが許されなかった経験を描きました。

東京にいる自分が実家に戻ることが歓迎されない事情は理解しながらも、「誰も悪くないからこそ行き場のない悔しさ」を抱えオンライン葬儀にのぞんだシャンプーさん。そんな心を解きほぐしたのは、安らかな表情の祖父に画面越しでも伝えることができた言葉でした。

「じいちゃん、この本読んで」。マンガ「ありがとう」はシャンプーさんの回想から始まります。

両親が日中忙しく、家を不在にすることが多かったので、「じいちゃん子」だったというシャンプーさん。小学生のころ、図書館で借りた本を読んでもらったり、飼育していた牛の名前のことを尋ねたら「人は大切にしたいモノにも名前をつけるんだよ」と教えてくれたり。

父親に叱られて、自宅の敷地にあった納屋に閉じ込められたときも、助けてくれるのはじいちゃんでした。泣きじゃくるシャンプーさんを「お父さんには内緒な」と背負い自宅へ戻ります。

まさに「育ての親」のような存在だったじいちゃんは、いつだって、シャンプーさんのヒーローでした。

それから月日が経った昨年秋。実家を離れ、東京で生活をしていたシャンプーさんにじいちゃんの葬儀の知らせが届きます。新型コロナの影響で一時は開催も危ぶまれただけに、胸をなで下ろしたシャンプーさん。

「GoToキャンペーン始まっているし、大丈夫そうだよね。新幹線予約して帰るようにするね」。電話口の姉にそう告げると、返ってきたのはショッキングな一言でした。

「ごめん……あのね、帰って来なくていいって……」

実家の地域では、新型コロナ感染者が出始めたころ、心ない言葉が飛び交うこともあったそうです。

当時はGoToキャンペーンにより移動の動きが出ていたとはいえ、「さすがに東京から帰ってくる親族がいたら」と姉。テレビ電話で中継をするという提案を、シャンプーさんはのみ込むしかありませんでした。

「また会えると普通に思っていた」

シャンプーさんがじいちゃんと最後に対面したのは、前年に帰省したとき。デイサービスに通っていてタイミングが合わず、シャンプーさんが戻る間際に「東京に帰るね」「あぁ、気をつけてね」とやり取りをしたぐらいでした。

「何か伝えたい事はある?」と問われ、じいちゃんに伝える最後の言葉を姉に託したシャンプーさん。部屋のテレビは、GoToトラベルを利用する予定のカップルの街頭インタビューが流れていました。

「いいなぁ……。私も……連れてってくれないかなぁ。じいちゃんにもう2度と会えないんだ」。電源を消したテレビの前で涙が止まりませんでした。

葬儀の当日。テレビ電話に会場が映し出され、式は始まりました。出席者は近くの親族に絞りながらも、たくさんの花とともに囲まれたじいちゃんの遺影。

「私よりもじいちゃんを知っている人達なんだろうな」「開催できただけでも幸せだと思わなきゃ」「私がいなくても、なんの問題も無かったや……」

画面越しに進む葬儀を見つめながら、「会いたいなんて、ただの迷惑だった」とやり場のない感情がこみ上げます。

そんな気持ちが揺れ動いたのは、ひつぎに花を入れ、最後の別れを告げる瞬間でした。眠っているかのように安らかな表情のじいちゃんに、中継を続ける姉がシャンプーさんから託された言葉を伝えます。

「じいちゃん、愛してるよ」

画面越しでも、最後のメッセージを伝えることができたシャンプーさん。

「会えるかどうかなんて、迷惑かどうかなんて関係なかった」「どんな状況でも大好きだった人に何を伝えたいかが大事だった」。対面できなかったことへの悔しさはすべて無くならなくても、じいちゃんが最後に気づかせてくれたこと。シャンプーさんにとっては、一生忘れられない別れとなりました。

「大好きだった祖父のことを知ってほしいと思って描きました。『うちのじいちゃん、こんなに格好良かったんだぞ』と自慢する気持ちで」

作品についてこう話すシャンプーさんは、フリーのデザイナーとして都内で働いています。高校卒業までいた実家では、農業を営んでいた祖父とも一緒に暮らし、多くの時間を過ごしました。

20代後半に一時実家暮らしに戻ったときも、深夜まで仕事をするシャンプーさんに「体に気をつけてよ」などと事あるごとに声をかけてくれたそうです。

大きく支えてくれた存在だっただけに、葬儀に直接参列できなかったのは「やはり、つらかった」と振り返ります。「実家は田舎なのでコロナの流行以降、東京から人を呼びづらいという事情は分かります。誰も悪くないからこそ、『行き場のない怒り』がありました」

そんな気持ちを解きほぐしたのが、祖父に伝えることができた「愛してるよ」の言葉でした。

「姉から言われたときに、ぱっと浮かんだんです。今までの感謝や色々な感情をひっくるめて言うことができました。画面越し、姉を通じてでもじいちゃんに届けられてよかったです」

祖父との思い出は、コミチで4コマ漫画にして連載しているシャンプーさん。「時間をかけてになるとは思いますが、じいちゃんとの思い出をこれからもつづっていこうと思います」

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