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Saturday, December 4, 2021

パリ見据え 夢のステップ - 読売新聞

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 軽快なステップを踏んだかと思えば、腕で全身を支えて脚を大きく回し、片手で逆立ちして静止する……。音楽に合わせて躍動感にあふれた技を繰り出すブレイクダンス(ブレイキン)は、若者を中心に世界に広まり、2024年のパリ五輪で正式競技となる。岡山大学で学びながら国内のトップクラスで活躍しており、世界一を競う舞台を狙っている。

 ブレイキンは1970年代、ギャング同士の抗争が絶えなかった米ニューヨークの貧困地区で誕生し、殺し合う代わりに音楽とダンスで勝負したのが始まりとされる。その後、人種や性別、貧富の差を超え、東京五輪で日本選手が活躍したスケートボードのように、「ストリート文化」を象徴する種目の一つになっている。

 ダンスとの出会いは小学1年生。テレビのバラエティー番組で踊る芸能人にくぎ付けになった。母親がダンス教室を見つけると、ほぼ毎日通い詰めるほど熱中した。ブレイキンは5年生で本格的に始め、10年以上になった。

 競技種目としては四つの基本的な要素がある。即興で流れる音楽に合わせ、▽立って踊る導入部の「トップロック」▽かがんで素早く足技を繰り出す「フットワーク」▽頭や背中などを使って回転する「パワームーブ」▽音に合わせて動きを止める「フリーズ」――を披露する。1対1の対戦形式で、交互に独創的なダンスを繰り出し、表現、技術、構成などを競う。

 技が決まった時の達成感は格別だ。「うまく音楽とハマった時は『シャーッ!』と叫びたいほど熱くなる」と魅力を語る。競技が盛んな首都圏などと違い、レベルが上がると県内では指導者が見つからず、高校生の頃から動画サイトなどを参考に、自らを鍛え上げた。得意技は「ワンハンドラビット」。逆立ちしたまま片手でジャンプする技で、150回も跳べる。「頭で回る技が苦手で、ひたすら逆立ちしていた」ことで磨かれたという。

 2019年に全日本選手権が始まり、20年に6位入賞を果たしたが、国内外の競技レベルが向上するなどして、今年は中四国ブロックを突破できなかった。悔しさを胸に、拠点のダンススタジオで講師を務めながら、「キレや安定性をもっと高めたい」と、減量、筋トレ、走り込みなど地道な練習を重ねる。

 商業高校を卒業し、簿記の勉強から始めた会計学に打ち込む。将来の海外進出を視野に英語の勉強にも力が入る。「将来、スタジオを経営したいので、きっと役立つ」と競技との両立に励んでいる。

 大学3年生の冬を迎え、同級生は就職活動に忙しいが、ダンス一本で3年後のパリ五輪に挑む覚悟を固めた。ダンサー名の「LANDALL(ランドール)」には、名前の「陸(LAND)」に、全てを意味する「ALL」を連ねた。「五大陸全てで1番を目指し、全ての技を極めるという思いがある」

 ゆくゆくは岡山の地にブレイキンを根付かせたいと願う。「人見知りだった自分が、人前で踊ることで変わることができた。そんな体験を多くの人にしてほしい。岡山を都市部に負けない盛んな場所にしたい」と目を輝かせた。(藤沢一紀)

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