
宝くじとお賽銭、お金を使うならどちらがいいか。塾講師の鍵本聡さんは「数学的に『期待値』を考えると、300円の宝くじ1本を購入すると、158円の損をすることになる。この158円をどう考えるかが重要だろう」という――。 【図表をみる】1枚300円の宝くじ販売量1,000,000(1千万)本の内訳 ※本稿は、鍵本聡『世の中は期待値でできている』(MdN)の一部を再編集したものです。 ■300円の宝くじ1本を購入すると、142円が戻ってくる計算 先日とある飲み屋さんで、お酒を飲んでいた2人が議論していました。 「もし300円を持っているとして、そのお金で宝くじを買うか、神社にお賽銭を入れるか、選択するならどっち?」という内容です。以下「宝」が宝くじ派、「神」がお賽銭派の人です。 宝「宝くじは下のほうの賞もあり、買うと当たっていくらかお金が戻ってくるでしょう」 神「いや、それがなかなかあたるようで当たらないのです」 宝「宝くじは、買わなかったらなにも当たらないでしょ。買わないとあたらないから買うのです」 神「当たるか当たらないか、ドキドキしながら待っているなんて、心の平穏がないじゃないですか。神社のお賽銭は、入れた瞬間に心の平穏が得られるから、私はお賽銭かな」 宝「神社のお賽銭は、実はなにに使われているか、不明です。なにかいいことに使われていると見せかけて、だまされている可能性もあります。その点、宝くじは、明朗会計のカタマリです。集まったお金のうち、約4割は慈善事業に使われていて、収益金で購入された自動車や車いすはいろいろな施設で活躍しています」 神「いやいや、神社だって負けてはいませんよ。神社によって違うのかもしれませんが、例えば神社の森は自然のサンクチュアリになっていることが多いのです。それを維持する費用だと考えたら、神社には感謝しないといけません。それに慈善事業をしている神社だっていっぱいあります。伝統を守る意味でもお賽銭を入れることに私は賛成です」 さて、みなさんなら宝くじと神社のお賽銭、どちらを選びますか? 確かに実際の宝くじや神社のお賽銭がどのように管理・運営されているのか、なかなか実態は見えにくいかもしれません。【図表1】はある宝くじの内訳です。 これらをすべて合計すると、1,419,900,000円です。ざっくりというと14億2千万円が賞金ということになります。 一方、売上はというと、300円の宝くじは平均すると10,000,000本(1千万本)売れるので、3,000,000,000円(30億円)となります。 この数字から賞金の合計金額を1千万本で配分すると、次のような計算が成り立ちます。 1,419,900,000円÷10,000,000本≒142円/本 すなわち1本300円の宝くじのうち142円が賞金ということになります。 まとめると、こういうことです。 300円の宝くじ1本を購入すると142円が戻ってくる。 この142円が「期待値」です。別のいい方をすると、300円の宝くじのうちざっくり半分は戻ってこないということです。
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