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Saturday, August 1, 2020

可変式ステップアップリング「REVORING」を触ってみた - デジカメ Watch

7月11日に本誌ニュース記事で取り上げた、H&Yの可変式ステップアップリング「REVORING」(レボリング)の実物を手にする機会があったため、動画を交えてお届けする。

REVORINGは、レンズのフィルターネジに取り付ける部分が絞り羽根のように開閉することで、可変式のステップアップリングとして機能する製品。サイズ違いのレンズフィルターやステップアップリングを複数携帯しなくてもよい点を特徴とする。

REVORINGを操作しているところ。

8月8日までKickstarterで支援を受け付けており、サイズにもよるが、REVORINGがひとつ23米ドルから、REVORINGの機構を組み込んだ可変ND+CPL(後述)がひとつ139米ドルから入手できる(プロジェクト目標額は既に達成済み)。お届け予定は2020年11月となっている。

サイズは37-49mm用(52mmフィルター装着)、46-62mm用(67mmフィルター装着)、67-82mm用(82mmフィルター装着)を用意。また、ストレッチゴールの30万米ドルを達成したため、52-72mm用(77mmフィルター装着)も選択可能となっている。さらに50万米ドルに達すると、82-95mm用(95mmフィルター装着)のREVORINGなどもラインナップに加わるようだ。

REVORING(46-62mm用)

以下に操作手順を紹介する。開口部の操作には少し力がいるが(バネが戻る力でレンズに固定するため)、リング側面にローレットが刻まれているのが操作の助けになる。

REVORINGは前後2つのリングで構成されている。以下、説明用にフィルターは取り付けていない。
左手でレンズ側のリングを支え、右手で開閉動作を行うリングを回す。
すると、絞り羽根のようにフィルターネジの部分が閉じてくる。これが開こうとするテンションでフィルターネジに噛み、固定される。
リングを回して、開口部を小さくした状態で保持する。
REVORINGをレンズ前面にあてがう。ネジ部分の突出量はレンズのフィルター取り付け部より浅いため、前玉に触れることはない。
2つのリングを保持している左手を緩めると、バネのテンションにより開口部が元に戻る。
フィルターネジに取り付けた。ここからREVORINGを全体を時計回りに少し回すと、より確実に固定される。
取り外し時は逆の動作となる。左手でREVORINGを支えたまま、右手で開閉リングを回し、開口部を小さくする。
ねじ込み式フィルターのように回転させることなく、そのまま手前に外せる。
側面。ケラレについては、16〜17mm程度のほとんどのレンズで影響がないとのこと。
一般的なレンズフィルターをREVORINGに取り付けるところ。
CPLのリングも十分に操作可能だった。

仕組みが見やすいよう、フィルターを装着せずに着脱してみた。

ステップで分割すると複雑に見えるが、要するに「リングを回して、レンズ前面に当てて、離す」というシンプルな操作だ。開発には約3年を要したといい、高精度に加工できるアルミ削り出しによりこのメカニズムを実現している。最初にKickstarterページを見た際は樹脂製かと思ったが、実物に触れてみると、これは樹脂の射出成形では精度も強度も実現不可能だろうと想像できた。こうした製品が今までポピュラーでなかったのは、そうした技術的背景が大きそうだ。

REVORINGの構造イメージ

交換レンズのマウントは早い段階でねじ込み式からバヨネット式が主流になったのに、レンズフィルターはいまだにねじ込み式が主流だ。汎用フィルターをマグネット式にするマウントなど意欲的な製品も登場したものの、その構図が大きく変わることはなかった。

このREVORINGも、見慣れるまではアイデア商品的な見方をされるだろう。とはいえ確固たるメリットもあり、まずサイズの汎用性がある点と、着脱が迅速であること。加えて、斜めに噛み込んでしまってネジ山を傷める心配がないことも挙げられる。メカであることから誰しも耐久性について懸念すると思うが、アンバサダーがフィールドテストを繰り返しており、製品版の完成までには一般からも広く意見を受け付けているそうだ。

また、現在は試作段階だという「REVORING VND+CPL」もチェックしてみた。CPL(円偏光)とVND(可変ND)が一つになった製品で、研磨精度が高いために200mmの望遠域で撮影しても高解像だとして、多機能ながら高品質であると自信を見せる。風景のみならずポートレートや動画にも活躍するという。

REVORING VND+CPL(試作品)。迅速なフィルター着脱は、作画に用いるNDやCPLにこそ有効だろう。REVORING単体よりは高価になるが、用途が合えば最初から一体型を選ぶのも良さそうだ。
こちらは4つのリングが重なる。メカ的なロマンを感じるルックスだ。製品版には、操作用のピンと、VNDが最大濃度のND1000を超えないためのストッパー機能が追加予定。

REVORINGを作ったH&Yは、香港のフィルター専業メーカー。メーカー名で検索してみると、よく知られた製品として角型フィルターシステムがあることがわかる。それらの既存製品も、レンズの性能をスポイルしないこと、割れに強いこと、日本製コーティング機材を用いていることなどから、機能・性能面で高い評価を得ていることをアピールしている。

H&Yの有名な製品は、マグネット式の角型フィルターシステム。フレームを取り付けるため、フィルターガラスが指紋で汚れにくい。
背面にCPLフィルター機構を差し込むスロットがある。これも機械加工ならではの精度感が心地よい。

筆者としては、わざわざフィルターメーカーがREVORINGのようにフィルター購入枚数を減らしてしまう製品を作ることを不思議に感じたが、H&Yとしてはむしろ「他がマネできない独自性のある製品開発こそが、長い目で自社の生き残りに繋がる」という考えで、目先の販売数量減は気にしていないようだ。こうしたモチベーションによって、今後も様々な新しい製品が生み出されてくると思うと楽しみだ。

おまけ:REVORINGの注文方法

Kickstarterのページが英語だったので、以下にスクリーンショットを交えて説明する。Kickstarterのアカウントを持っていない場合はサインアップ(会員登録)が必要だが、そちらは日本語化されているため省略する。

KickstarterのREVORINGページを開き、「プレッジ(支援)する」の欄から、支援したいアイテム(=欲しい製品)の項目を探す。

PCサイトでは、右側に「プレッジ(支援)する」が表示。

該当する項目の「プレッジ額」に、欲しいアイテムの支援額を入力する。初期状態は最も安い(=3つのうち、小さいサイズのもの)の額が入力されているため、上のサイズが欲しい場合は、それを手入力する。

初期状態は最小サイズの「HK$180」が入力されている。ここでは67-82mmが欲しいと仮定して「HK$234」と入力。
左側に大きく表示されているのは米ドルだが、プレッジ額の入力は香港ドルなので注意。
今度は「REVORING VND+CPL」が欲しい場合。該当する項目を支援リストから探す。
最小サイズ以外が欲しい場合は、入力されているプレッジ額(最小サイズのHK$1085)を目的のサイズのもののプレッジ額(この場合は46-62mmでHK$1124)に打ち替えて、「次へ」をクリックする。

協力:H&Y Filters

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August 01, 2020 at 07:00AM
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