
神奈川県座間市のアパートで2017(平成29)年、男女9人の切断遺体が見つかった事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の判決が、15日に東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で言い渡される。事件で被害に遭った本県の女子高生=当時(17)=の父親(65)は「どんな判決だろうが関係ない。娘が戻ってくるわけではないから」という。心の中の時が止まったまま、父親は判決の日を迎える。
「傍聴したところで結果が変わるわけではないし、被告がどんな人間か知りたくもない。僕にとっては、娘が亡くなったことが問題だから」。9月30日の初公判から11月26日の結審まで約2カ月。娘の事件が審理された法廷に、父親が足を運ぶことはなかった。
裁判の状況は報道などで知った。6人目の被害者として審理された最愛の娘。「もっと早い時点で(事件が)発覚していたら、娘が殺されることはなかったのではないか」。そんな思いが、今も頭にある。
白石被告は女子高生について、法廷で「殺す必要は全くない子だった」と述べた。「殺してからでは、何を言っても遅い」。父親はそう憤る。
今も娘が気に入っていた食器やタオルを自然と使っている。テレビを見たりしても、娘の姿を重ね合わせてしまう。「娘の顔が常に頭の中にある。考えなかったときはない」。娘の死亡が分かってから3年以上、当時から気持ちには変化はない。
どんなことがあっても、娘が戻ってくることはない。だから、判決に何かを期待しようとは思わない。「裁判としては一つの節目かもしれないけど、娘を思う気持ちは毎日のこと。区切りにはならない」
争点は殺害承諾
公判の最大の争点は、自殺願望があったとされる被害者らが、被告に殺害されることを承諾していたかどうかだ。検察側は死刑を求刑しており、弁護側は被害者が殺害に同意していたとして承諾殺人罪の成立を主張し、死刑回避を求めている。
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