女子ゴルフの黄金世代のトップランナー、勝みなみ(22=明治安田生命)が米ツアー進出に向けて本格的に動きだす。30日、日刊スポーツのインタビューにオンラインで応じ、21年の目標を米国行きの土台作りと明言した。来年からの米ツアー進出を目指す同世代の渋野日向子らとともに、今年が夢実現への大きなステップとなる。
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黄金世代のトップを走ってきた勝が、満を持して米国ツアーへの挑戦に取り掛かる。「米国には絶対行きます。米国に行っても大丈夫なようにしっかり土台をつくってからいきたい」と、21年の取り組みについて話した。
これまでも、漠然とツアー挑戦は口にしたことがあった。明確に意識したのは昨年。全英女子オープンや全米オープンなどに出場し「レベルが高く、自分にないコースの攻め方とかも見せていただいた。コースもいろんなシチュエーションがそろって、環境もすごくいい。そういうところにも引かれました」という。
また、昨年から米ツアーに参戦している河本結や、来年から参戦を目指す渋野日向子らとの情報交換でも刺激を受けた。「米国に行っているときに、結ちゃんの話を聞いたり、しぶこも『来てよ』って言うし。米ツアーでこういう悩みがあるんだなというもの分かりました。黄金世代はライバルというより、みんなで切磋琢磨(せっさたくま)していく仲間でもあるんです」。
勝は昨年、これまで週1回取り組んできた体力づくりなどのトレーニングを週3回に増やした。米ツアー挑戦を意識した取り組みだった。しかし、コロナ禍の影響で開幕が大幅にずれ込み、行われた試合は14試合と例年の3分の1程度だった。米国挑戦へ向け、完全なデータを取ることはできなかったが「3回やった方が、疲労感が軽減された」と手応えもつかんだ。
今年は引き続き週3回のトレーニングで米国で戦うための体づくりに取り組みつつ、昨年できなかったツアー優勝も見据えている。20年と統合シーズンとなる21年の目標を「楽しく、笑顔で、をベースにできるだけ多く優勝したい。なかなかファンが見に来られない状況で、せめて結果で恩返しできたらいいな」と話した。
14年に国内ツアーのKKT杯バンテリン・レディースで、15歳と293日の国内ツアー最年少優勝を達成した時も、勝はあえてプロ宣言をしなかった。当時も勢いでプロになるより、プロで戦う土台作りを重視した。
「私は自分の中で、何歳までにプロになって、米国に行って、結婚してとか、全部決めているんです。だから、米国に行くために去年から週1回のトレーニングを3回にしました。スケジュールを考えると、結婚なんかヤバいなって焦っちゃうこともありますが、今はゴルフが1番大事」
まずは国内ツアーで結果を出し、次なる大きなステップへ。勝の新たな挑戦が始まる。【桝田朗】
◆勝(かつ)みなみ 1998年(平10)7月1日、鹿児島市生まれ。名前の由来は人気漫画「タッチ」のヒロイン浅倉南から。祖父の影響で6歳からゴルフを始め、小学、中学で全国大会に優勝。鹿児島高1年の14年4月のKKT杯バンテリン・レディースで史上最年少優勝。同8月に日本ジュニア選手権、翌年6月に日本女子アマを制した。17年にプロテストに合格。18年に1勝、19年に2勝と通算4勝を挙げている。157センチ、57キロ。
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