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プロジェクトを成功させるために、AI活用に最適なテーマが何かを判断する必要がある。テーマ発掘の前提として、AIでできること、できないことへの理解が欠かせない。テーマを発掘する際は、3つのステップから成るフレームワークが有効だ。
今回取り上げるのは、AI(人工知能)活用の「テーマ発掘」です。社員が自らアイデアを出して、AI活用を実現していくスタート地点を解説します。
テーマでAI活用の成否が決まる
筆者は自分が事業会社に在籍していた際のAI活用や顧客へのAI活用支援を通して、プロジェクトが途中で頓挫するケースをこれまで数多く見てきました。そういったプロジェクトを振り返り、原因を探していくと、共通の問題があると気づきました。それは、プロジェクトを開始する前にAI活用に最適な課題・テーマが何かを正しく判断していなかったことでした。
そうした問題に陥る主な原因は2つあると考えています。1つは、AI Drivenにかじを切る上で重要な種まきとなるテーマ発掘において、取り組むべき最適なテーマかどうかを客観的に評価しなかったこと。もう1つは、事前に予見できるはずのリスクを排除できなかったことです。
失敗例を1つ紹介しましょう。あるプロジェクトでは、ビジネスインパクトや実現可能性のあるテーマをうまく見つけられないままプロジェクトを走らせてしまいました。その結果、PoC(概念実証)まで実施したにもかかわらず、いざ実運用する際に社内の協力が得られずにプロジェクトが頓挫してしまいました。
逆に言えば、テーマを発掘するフェーズでこうした問題を回避できればプロジェクトが成功する確率は格段に上がります。筆者もそのようにしてAIプロジェクトを成功させ、ビジネスインパクトを生み出してきました。では具体的にどうすればよいか見ていきましょう。
できること、できないことを理解
まず、テーマ発掘の前提として重要なポイントがあります。それは、担当者が「AIでできること、できないこと」を正しく認識し、理解していることです。AIと聞いてイメージするものは人によって異なります。中には、AIは人間よりも全ての面ではるかに優れていると考える人もいます。しかし、今日のAIはあくまで業務の一部を高度化、高速化、自動化してくれる部分最適のツールの1つにすぎません。そのような理解をした上で、身の回りのどの業務でAIを活用するのかを正しく判断する必要があります。
実践的なAIを学ぶためにAIの活用事例を共有するコミュニティーへ参加するのは非常に有用な手段の1つです。周りの参加者から、なぜAIを活用しているのか、どんな課題に対して取り組んでいるのかなど生きた情報やリアルな体験談に触れることで、自社の取り組みへの応用が期待できます。
AIに関する基礎知識を身につけたとして、テーマ発掘の手法へ話を進めます。ここからは筆者らがテーマ発掘のためのフレームワークとして推奨する以下の3つのステップを解説します。
- (1)課題の特定と予測対象の設定
- (2)実運用フローの設計
- (3)ビジネスインパクトの試算/実現可能性の評価
からの記事と詳細 ( AI活用に最適なテーマを発掘 3ステップで成功確率上げる - ITpro )
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