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Sunday, March 13, 2022

自分が戻ってくる所はここ 18歳の自分に「東京でがんばってる」 - 日刊新周南

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  • 吉元 央さん=周南市文化会館にて撮影

 徳山は自分の原点―。40年の東京暮らしを経た今もそう話す東映取締役の吉元央さんが、5日、山口県周南市の周南市文化会館で「東映エンターテインメントの世界」と題して講演し、約400人の聴衆を楽しませた。この機会に、東映に入社した経緯、仕事で大切にしていることや故郷への思いなどを聞いた。

―東映ではどんな仕事をされていますか。

 東映はテレビ、アニメなどの映像産業で知られていますが、同じエンターテイメントという枠組みのなか、私は主にイベント事業を担当しています。美術展覧会を企画して全国を巡回したり、ライブや演劇を企画、制作して会場を借り主催しています。

―ずっと野球少年だったとうかがっていますが、エンターテイメントの世界に進まれたきっかけは何ですか。

 小学から大学まで野球などのスポーツをやっていて、全く違った世界を知ってみたかったというのが一つ。また、大学の野球部の友人からテレビドラマの通行人のエキストラに誘われて、テレビなどエンターテイメントの方に行ってみようかなと思ったのもきっかけで、今日に至っています。

―東映はどんな会社ですか。

 社員は3、400人ていど。みな顔見知りでフランクに色んなことが言える会社ですね。野球、スポーツで培ったチームワークが生きています。

―チームワークを強くするために気を付けていることは。

 コミュニケーション能力です。自分が上でも下でも皆同じととらえ、普段から雑談も含めて会話をするようにしています。その中から企画が生まれることもよくありますよ。

―イベントを主催する上で大切なことは何でしょうか。

 大きい会場では、どれだけ大勢の人に来てもらえるか、ビジネスとして最大公約数的にあるていど満足してもらわなければなりません。逆に、小さい会場では「この人たちだけに届けばいい」とかなり絞り込んで特化します。企画の時は「この企画、自分だったらお金を払ってでも行くかな」と考えますね。演劇、美術展、ライブへは、好き嫌いにかかわらず見に行くようにしています。

―イベント事業の魅力はどんなところにありますか。

 特にライブ、舞台は同じ演目でも2つとして同じものがない。お客さんとのやり取りで織り上がりも違い、イベントは生き物のようなものです。お客さんと一体となって作り上げる所が何ものにも代えがたいです。

―吉元さんにとって地元周南はどんな存在ですか

 小さい時から高校卒業までいて、今では東京に住んでいる期間が長くなりましたが、やはり、ここは自分を育ててくれ、すべてを教えてくれた土地でもあると思います。帰ってくれば、仲間たちがいていつまでも変わらなく接することができる。仕事抜きでいくつになっても変わらないので、自分が戻ってくる場所はここだと感じます。

 墓参のため1年に1度は周南市に戻っていますが、その時は必ず車で緑地公園の野球場に行きます。高校最後の夏はあそこで戦い抜いた。18歳の自分に、この1年東京でがんばったという報告の意味も込めています。母校の徳山高校のグラウンドにも必ず行きますし、両方とも原点ですね。

―今後の目標を教えてください。

 エンターテイメントは無限に種類があって、まだまだやっていけると思います。日々アンテナを張り巡らして面白いものにチャレンジし、皆さんに喜んでもらえるものを一つでも多く作りたいですね。

吉元 央さん

【プロフィール】
1964年、山口県周南市出身。徳山小、岐陽中、徳山高、青山学院大学まで一貫して野球部に所属。1986年東映に入社。イベント事業の部署に配属後、35年にわたり、展覧会、ライブショー、舞台などを手がける。現在は取締役事業推進部長。

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