「休眠顧客」とは、自社の商品やサービスの購入履歴があるものの、その後購入をしていない顧客のことだ。EC運営において、休眠顧客の掘り起こしは優良な見込み顧客を獲得する上で重要な施策の一つだと言えるだろう。
今回は、休眠顧客の概要と生まれる原因、休眠顧客を掘り起こすステップについて紹介する。休眠顧客への効果的なアプローチ方法もあわせて紹介するので、施策を講じる際の参考にしてもらいたい。
目次
●休眠顧客とは
●休眠顧客が生まれる原因
●休眠顧客を掘り起こすステップ
●休眠顧客への効果的なアプローチ方法
●まとめ
休眠顧客とは
新規顧客の獲得と同様に重要だと言われている「休眠顧客の掘り起こし」。まずは、休眠顧客の概要と掘り起こしの重要性を確認しよう。
休眠顧客の概要
「休眠顧客」とは、過去に商談や取引があったものの、現在は取引がなく放置された状態にある見込み顧客のこと。ECサイトの運営においては、自社の商品やサービスを購入してくれた過去はあるが、リピート購入のない顧客のことを休眠顧客と言う。
購入後どのくらいの期間が経過すると、「休眠顧客」として扱うのかは企業や商品によって異なる。一般的に、最終購入日から半年から1年間程度経過すると休眠化と考えるケースが多いだろう。
EC運営では休眠顧客の掘り起こしが重要
EC運営において、休眠顧客の掘り起こしが重要な点は2つある。
まず1つ目は、「効率的に売上を出せる」ことだ。新規の見込み顧客を開拓する場合、コストがかかる傾向にある一方で、休眠顧客は一度自社の商品を購入したという特徴がある。そのため、必要な情報を提供するだけで魅力が伝わりリピートしてくれる可能性が高い。集客に必要な費用や時間をかけなくても、効率的に売上アップにつなげやすいのだ。
2つ目は、「事業運営のヒントを見つけられる」ことが挙げられる。休眠顧客にサイトを利用しなくなった理由をヒアリングする中で、自社サイトの弱みを発見できることは運営においてメリットが高い。休眠顧客の意見を参考に改善していけば、既存や新規顧客の休眠化を防ぎ、安定的に売上を維持できる可能性が高まるのだ。
休眠顧客が生まれる原因
休眠顧客を掘り起こす場合、なぜその顧客が休眠化したのか理由を知っておくことが大切である。休眠顧客が生まれる原因を見ていこう。
商品やサービスに不満を持った
購入した商品・サービスが想像よりも良い商品ではなかったという場合は、リピートにつながらず休眠顧客になりやすい。広告や宣伝によってアピールしていた内容と、実際の使用感やイメージが異なることで顧客満足度が大幅に下がってしまうのだ。
また、商品に不具合があったときの対応が不十分であった場合など、接客面において不満を感じ休眠顧客に至るケースもある。購入した商品に問題が無くても、運営側の対応1つで顧客に不快感を与えかねないため注意したい。
商品やサービスを購入する必要性がなくなった
ライフステージの変化などにより、自社サイトの商品やサービスを購入する必要がなくなることも、休眠顧客が生まれる原因となる。例えば、「ベビー用品が必要なくなった」「在宅ワークが中心となり、化粧品の使用頻度が減った」などといった理由が挙げられる。
過去に購入した経験を忘れてしまった
顧客によっては、過去に商品を購入し好印象だったが、購入した経験を忘れてしまう場合もあるだろう。このようなケースでは、同じような商品を購入する際、改めて商品を比較し他社の商品を購入している事も多い。
休眠顧客を掘り起こすためのステップ
休眠顧客の掘り起こしはどのように進めるとよいのだろうか。ここからは、休眠顧客を着実に掘り起こしていくための3つのステップを紹介する。
【ステップ1】アプローチすべきターゲットを絞る
まず1つ目のステップとして、アプローチをするべきターゲットを絞るところから考えよう。アプローチするべき顧客を明確にすることで、無駄なコストを抑えることができる。
ターゲットを絞る場合、購入履歴をもとにターゲットを分類していこう。例えば、1度だけ購入し、その後購入していないケースは、商品やサービスが合わない、もしくは不満があったため休眠してしまったと考えられる。また、複数回購入していたのに、最近購入していないというケースは、商品やサービスに不満があるのではなく顧客の状況の変化により休眠化した可能性が高いと考えられる。
他にも、自社商品のサービスの実施や変更時期と、顧客の休眠化した時期を照らし合わせて休眠化の理由を推測し、
ターゲットから外すといった検討も行うとよいだろう。
【ステップ2】ターゲットに伝えるべき内容を検討する
2つ目のステップは、休眠化した原因に応じて分類化したターゲットに、伝えるべき内容を検討していく作業を実施する。前述の顧客が休眠する原因に合わせて必要な訴求方法を検討していこう。
まず、購入した際の不満が原因の場合、どのような部分に不満を感じたのか顧客に直接意見を伺う方法がある。「ご意見やご不満をお聞かせください」というようにメッセージを伝え、意見を収集することで具体的な策を講じる事ができる。顧客が「意見を聞いてくれた」と感じ取ってくれれば、それが好印象となり、掘り起こしのチャンスも広がるはずだ。
次に、顧客の変化が原因の場合、掘り起こしのターゲットからは外れる場合もあるだろう。しかし、顧客に起こり得る変化を予測し、それに合わせた提案をしていくことで掘り起こすことも可能だ。主力商品とともに、ライフステージの変化に合わせた別商品の紹介も工夫の一つとして知っておきたい。
最後に、サイトの存在を忘却しているターゲットには、休眠顧客に自社サイトを利用したことがあることを思い出せるようなメッセージを送付してみてはどうだろうか。他社より手に入れやすい価格提示や、より価値のある商品やサービスを提供できれば、それが再購入の後押しとなるだろう。
【ステップ3】効果的なアプローチ方法を用いて接点を増やす
最後のステップは、ターゲットに伝える内容に合わせて、効果的なアプローチ手段を使い休眠顧客との接点を増やすことだ。アプローチ手段として、Eメールやダイレクトメール、電話などがある。EC運営においては、顧客との接点を増やせるよう複数のチャネルを活用し、顧客に合わせたアプローチ方法を選ぶことで可能性を広げているケースもある。
休眠顧客への効果的なアプローチ方法
最後に、具体的なアプローチとして代表的な4つの方法を紹介する。それぞれのアプローチ方法を効果的に取り入れるポイントにも触れていくため参考にしてもらいたい。
ステップメールを送る
ステップメールとは、顧客に対してあらかじめ用意しておいたメールをスケジュールに沿って段階的に配信するメールマーケティング手法だ。購入のお礼メール以外にも、他の商品の案内や困りごとへの問い合わせ方法など、さまざまなアクションに応じたメール内容や送付時期を設定する。
休眠顧客に対してステップメールを送付する際は、「このサイトをもう一度利用してみたい」と思ってもらえるような内容を検討したい。メールにクーポンを添付したり、期間限定キャンペーンを案内したりするのも効果的だ。顧客にメリットに感じやすい内容ほど掘り起こしを実現しやすくなる。
ダイレクトメールを送付する
ダイレクトメールとは、特定の顧客に向けて広告やパンフレットなどの案内を郵送する方法だ。ダイレクトメールの特徴として、顧客の手に形として残るため特別感を感じてもらいやすいことが挙げられる。開封率を高くするためにも、魅力的なデザインや文言を取り入れられるとよいだろう。特別クーポンやカムバック特典といった価値を見出せるような内容にできると、掘り起こしが成功しやすくなる。
電話をかける
休眠顧客に電話をかけるのも、ひとつの方法と言える。文章では伝えきれないような内容も、口頭で説明することで魅力を感じ取ってもらいやすくなるため、扱う商品やサービスによっては効果が期待できる。会話を通じて、休眠理由が確認できれば、解決策を伝えることや今後のサイト運営に活かすことも可能。ただし、電話は頻繁にかけると、サイトイメージを低下しかねないため注意が必要だ。
顧客関係管理ツールを活用する
顧客関係管理ツールとは、顧客管理をサポートするツールのことで、CRMツールとも呼ばれる。サイト運営に導入すれば、容易に顧客情報の管理ができるほか、購入履歴や行動パターンに応じたアプローチ方法を自動で提案してくれるといった機能も備えており、休眠顧客の掘り起こしをする際に活用できるだろう。早い段階で休眠顧客の掘り起こしをできれば、他のサイトに離れていってしまうことも回避できるはずだ。
まとめ
自社の商品やサービスを一度は購入してくれたが、一定期間サイトを利用していない「休眠顧客」。的確なアプローチ方法を取り入れ、掘り起こしを実現できれば、見込み顧客を効率的に創出できる可能性が高い。各企業においては、休眠顧客が生まれた原因を探り、自社にあったさまざまな施策を検討していってもらいたい。
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