消費者がSNSに投稿したUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)、いわゆる口コミが消費の意思決定を促進する重要性は増している。だが、闇雲にUGCを集めても成果は出ない。消費者のインサイトを捉え、適したUGCの投稿を促進することが重要だ。さらにUGCを掲載した後も、掲載面や掲載位置などを改善し続ける運用が重要になる。第3回では、UGCの運用によってコンバージョン数を35倍に増やしたミツカン子会社の事例などを通じて、実践のポイントを学ぶ。
SNSの普及により、消費者視点で商品やサービスを捉えたUGCが、消費の意思決定に与える影響は増しているといわれる。UGCは企業にとって、マーケティング的な観点でも重要な資産だ。投稿者の許諾を得た上で、マーケティング活動に取り入れる企業が増えている。
だが、UGCを単に自社サイトなどに掲載するだけでは、大きな成果を得ることは難しい。広告クリエイティブや誘導先のLP(ランディングページ)のように、対象となるユーザーインサイトに合わせたUGCの選定や、掲載順序の決定などの工夫が必要となる。加えて、LPやECサイト全体のコミュニケーションを踏まえた上での掲載場所、デザインなどもデータに基づき細かく変更することで、UGCのマーケティング成果を向上できる。
UGCの効果をデータで可視化し、改善のフローを回すことが運用型UGCを行う上で最も重要な考え方である。そうした運用型UGCで成果を出し始めているのが、ミツカン子会社で、D2C(ダイレクト・トゥ-・コンシューマー)事業を展開するZENB JAPAN(愛知県半田市)だ。
ZENB JAPANは黄えんどう豆を100%使った、高タンパク質、高食物繊維の商品を、直販型で展開する。ヒット商品の1つが麺製品「ゼンブヌードル」だ。同社は運用型UGCを実施することで、月間のコンバージョン数を35倍に増やし、新規顧客獲得に大きな成果を与えた。
運用初月は改善幅がたったの1.01倍
ただ、この成果は一朝一夕で出たわけではない。運用型UGCを導入した当初はUGCによるCVR(コンバージョン率)改善率はわずか1.01倍にとどまり、コンバージョンの増加数は数十件程度と効果は微々たるものだった。その状態から、どのようにして35倍という驚異的な成果につなげたのか。そのステップは3つに分けられる。
最初のステップは「媒体特性に合わせたUGC選定・運用」だ。広告を掲載する媒体ごとにUGCを個別に選定し、それぞれの媒体から誘導するLPに掲載した。SNSへの広告掲載はブランドの認知を持たない潜在層、検索連動型広告は顕在層へのアプローチという形で役割分担し、UGCの出し分けを行ったものの改善結果はわずか1.01倍にとどまった。
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