徳勝龍（左）を攻める朝乃山＝１８日、福岡国際センター
大相撲九州場所が２７日に千秋楽を迎え、元大関朝乃山が再起をかけて臨んだ一年が終わった。幕下優勝は果たせず悔しさが募った場所だったが、朝乃山は７日間を通して取材に応じ、自分の言葉で胸中を語った。同日、福岡市内で開かれた高砂部屋千秋楽祝賀会で朝乃山は「稽古に精進し、１年後には幕内の三役で戻ってこられるように頑張りたい」と決意を示した。
出席者によると、朝乃山は支援者らから激励を受け「土俵の上で白星を届けることが自分の役目だと思っている」と語り、応援に感謝した。
「ここ一番で力を発揮できない自分が弱い」。今年最後の一番を白星で飾っても募るのは、なぜ全勝できなかったのかとの思いだった。２場所続けて幕下優勝という目標を達成できず、精神面の弱さが浮き彫りになった。
●阿炎を見本に
九州場所では、朝乃山と同じく新型コロナウイルスのガイドラインに違反し、３場所出場停止処分を受けた阿炎が初の幕内優勝を果たした。失敗しても、再起できるという見本である。再び賜杯を抱くことが応援してくれた人への最大の恩返しになる。
九州場所の悔しさは土俵で晴らすしかない。朝乃山が休場した１年で十両、幕内の顔触れも変わり、実力が試される。再び大関を目指す上で、本番はこれからだ。
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