小松市教委
小松市が一部の中学校に設置する教室に入りづらい生徒のための居場所「ステップルーム」について、家から出られなかった生徒のほとんどが、利用することで登校できるようになるなどの効果が表れている。二十八日の市議会定例会で、自民党こまつの宮西健吉議員の質問に、石黒和彦教育長が「今後もステップルームの充実を図っていく」と答弁した。ステップルームでは、生徒が学校の始業から終業までの時間に、個々のペースで勉強や活動に取り組んでいる。二〇一九年に板津中学校が開設、翌年から同校を含む三校に設置し、二二年度からは専門相談員を配置している。
市教委は同ルームを利用する生徒数を明らかにしていないが、教室に入れなかった生徒の約半数が授業に参加できるようになったという。生徒は一日の時間割を自分で決めて過ごしているといい、市教委の担当者は「自己決定をすることで、達成感や自信がつき、少しずつ授業に参加できるようになっている」と話す。
昨年九月からは、同ルームに通う生徒が、校外施設を利用する「校外ステップルーム」も始めた。スポーツやものづくり体験を通じて、指導員ら校外の人と触れ合う機会としている。
全国の小中学校の不登校の児童生徒数は、二一年度で千人当たり二五・七人。同市も全国と同程度で増加傾向にある。（井上京佳）
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