名牝たちが共通して勝っているレース
時代を牽引した牝馬と言えば、直ぐアーモンドアイの名が浮かぶ。史上5頭目となる牝馬三冠制覇を皮切りに、天皇賞連覇、ジャパンカップ2勝、さらにドバイターフ、ヴィクトリアマイルと大活躍した。これを受け最優秀短距離馬に選ばれたグランアレグリア、さらに無敗の三冠牝馬デアリングタクトと牝馬の活躍は続いたが、この3頭いずれもが桜花賞馬だったという共通点がある。
そして興味深いのが、桜花賞へのステップがそれぞれ異なっていて、それ以前のチューリップ賞かフィリーズレビューのトライアルを経てというローテーションではなかったのだ。アーモンドアイは牡馬相手にシンザン記念を勝って3ヶ月ぶりのレースが桜花賞だったし、グランアレグリアは朝日杯FSで牡馬相手に3着と健闘し、年明け初戦が桜花賞で、前年のアーモンドアイを上回る1分32秒7の桜花賞レコードでスピード決着をつけ、3年前の桜花賞馬デアリングタクトは、11月の新馬戦を勝って2戦目が年明け2月のエルフィンS。これを鋭く決め桜花賞にのぞんでいた。
トライアルを経ない流れはその後も続き、2年前に5戦全勝で桜花賞を勝った白毛のソダシは、阪神JFを勝って4ヶ月ぶりの実戦だったし、昨年の桜花賞馬スターズオンアースは、年明けのフェアリーS、2月のクイーンCといずれもクビ差の2着で5戦1勝2着3回ながら出走にこぎつけていた。この5年は、いずれも独自のローテーションで本番にのぞんでいたのだ。
しかしこの流れは、今年も続いている。チューリップ賞、アネモネS、フィリーズレビューのトライアル組もいるのだが、暮れの阪神JF、年明けのシンザン記念、クイーンCを経た馬たちが目立っている。
特にこの中では、最優秀2歳牝馬に輝いたリバティアイランドが抜けている。ソダシと同じで、桜花賞が年明け初戦。阪神JFでは、朝日杯FSを0秒8も上回るタイムで、後続に2馬身半差もつけていた。これだけのスピードがある上に、デビュー戦の1600米の新馬戦では、上がり3ハロンをJRA最速タイの31秒4をマーク、その可能性は計り知れないものがある。
これを追う存在としては、5年前のアーモンドアイと一緒で、シンザン記念を勝ったライトクオンタムがいる。昨秋11月、東京の新馬戦1600米は逃げ切りだったが、2戦目のシンザン記念は牡馬相手に最速の上がりで差し切っていた。大きなトビでスピードがあるが、シンザン記念を勝って十分に時間をかけて仕上げられてきた。ディープインパクト最終世代6頭の中の1頭で、ポテンシャルの高さに期待したい。
そしてもう一頭、2戦目のチューリップ賞で出遅れながら早目に追い上げ、ハナ、クビの3着に入って出走権を得たペリファーニアを。2年前の年度代表馬エフフォーリアの半妹で、キャリア2戦で可能性は大きい。伏兵となるとこのタイプではないか。
「桜花賞 さくら散っても 花は咲く」
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