東京・下町の真夏の風物詩「隅田川花火大会」が29日夜、コロナ禍による3度の中止を経て、4年ぶりに開催される。「やっと隅田川に花火が戻ってくる」。苦難を乗り越えてきたゆかりの人たちは、大輪の花火が夜空を彩るその瞬間を心待ちにしている。(竹田迅岐、増田知基)
大会当夜に打ち上げられる花火は、コロナ禍前と同規模の約2万発。うち半数近い約9500発を担当する丸玉屋小勝煙火店(東京都府中市)の5代目小勝康平さん(41)は、「見る人の思い出に残る花火にしたい」と意気込む。
24歳で入社して以来、国内外の数々の大会を巡り、華やかな花火ショーを演出してきた。隅田川花火大会は大のお気に入りで、打ち上げを終えると、川の両岸から「お疲れさま~」「来年もよろしくな」とねぎらってくれる観客の人情の厚さが何より好きだった。
2020年春にコロナ禍が始まると、街からにぎわいが消え、花火大会も次々に中止が決まった。会社の売り上げは激減したが、6月には「花火で元気づけたい」と花火師仲間と協力し、観客の殺到を避けるために開催を予告しない「サプライズ花火」を全国各地で実施。相次ぐ感謝の電話にかえって勇気づけられた。
いつでも花火を上げられるようにと休業はせず、約20人の職人らと細々と花火作りを続けた。ファンから「隅田川の花火はどうなるの?」と度々心配されたので、今年4月に実施が決まった時は、「やっとみんなの期待にこたえられる」と胸をなで下ろした。
今回の大会に向け、半年をかけ、とっておきの花火を制作した。「平和でないと花火は上がらないと身に染みた。家族や友人など大切な人たちと一緒に楽しんでほしい」と笑顔で話す。
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