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Saturday, August 26, 2023

パウエル議長、インフレとの闘い最終ステップ説明へ-25日に講演 - ブルームバーグ

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米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、ワイオミング州ジャクソンホールで25日に行う講演で、米金融当局によるインフレ抑制キャンペーンの最終ステップについて詳細を説明し、任務完了へのコミットメントを強めるとみられる。

  今回の講演は、過去数年に行われた基調講演のような劇的な内容は含まれないかもしれないが、インフレとの闘いにおける最も困難な段階とパウエル氏自身が指摘するタイミングで行われる。金融当局の行動がこれまで経済にどのような影響を与えてきたか確信を得にくい中で、あとどれほどの引き締めが必要かを測るという難しい局面だ。

  最近に至るまで進むべき道は明確だった。急ピッチのインフレを抑制するために利上げを続ければ良かった。だが、インフレ鈍化が続き、さらにどれだけの取り組みが必要かを巡って当局者間の意見が分かれる段階へと移ってきた。議長は今回の発言の場を利用して、追加利上げの是非を米金融当局がどのように判断し、利下げに転じる時期をどのように決定するかについて概略を示す可能性が高い。

Inflationary Pressures Are Receding | Fed's benchmark interest rate is now above inflation

米PCE総合価格指数とコア価格指数、実効FF金利

出所:米経済分析局、ニューヨーク連銀

  元FRB副議長のドナルド・コーン氏は「パウエル議長は時期尚早な緩和にくぎを刺すだろう。それが今回のテーマになると考える」と発言。「データ次第の姿勢が何を意味するのかを詳しく説明し、各データに対して市場が非常に強い反応を起こすのを抑えることが、議長にとって有益だと思われる」と述べた。

  パウエル議長はこのカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムに際し、米東部時間25日午前10時5分(日本時間同午後11時5分)から講演を行う。同日には欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も講演を予定している。

  ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「米金融当局内の広範な見解を踏まえ、パウエル議長は自身が好むゆっくり動くというリスク管理戦略を掲げると、われわれはみている。中立金利(自然利子率)の推計をより適切に判断するため、連邦公開市場委員会(FOMC)は数会合にわたって様子見する必要があるだろう」と指摘した。

  これまでのところ、インフレ率は1年前に比べ大幅に鈍化する一方、経済には金融状況引き締めに伴う苦境のサインはほとんど見られない。インフレリスクが後退して他の経済的リスクが高まるにつれて、当局者は次第に二つのグループに分かれるようになってきている。

  一方のグループは、これまでの利上げの効果はまだ経済には完全に浸透していないとして、現在進行している信用状況引き締まりが、意図するよりも大きなインパクトを及ぼすと懸念する。新型コロナウイルス禍の期間に積み上げられた貯金が取り崩され、学生ローンの返済が今秋再開されることも向かい風になる可能性がある。

  もう一方のグループは、金融政策が経済活動に伝わるまでの時差はもはやそれほどなく、利上げ効果の多くの部分は既に感じられていると主張。インフレ率が2%の当局目標に戻る軌道にあることを示すさらなる具体的証拠を目にしたいとしている。

  米金融当局について次に何が予想されるか投資家は従来よりも確信を持てなくなり、過去数週間はボラティリティーが高まっている。先物市場の動向を踏まえると、市場は現時点で年内もう1回の追加利上げを見こんでいないものの、利上げがあるとすれば9月19、20両日のFOMC会合よりも、10月31日-11月1日の会合の可能性の方が高いとみている。

  25日の講演は、金融当局がインフレ統計以外も注視している点を含め、パウエル議長が自身の戦略の主要部分にスポットライトを当てる新たな機会となりそうだ。

  エレン・ゼントナー氏率いるモルガン・スタンレーのエコノミストはパウエル議長について、「金融当局がデータ次第の姿勢であり、データの全体像を考慮することを強調し、9月会合を『ライブ』に保つだろう」との見方を最近の顧客向けリポートで示した。

  急ピッチの利上げ推進にもかかわらず、米経済が堅調さを維持していることで、景気の加速も減速も招かない中立金利が新型コロナウイルス禍の前よりも上昇しているのではないかとの観測も浮上している。

  投資家はパウエル議長が25日の講演で中立金利についての議論に加わることを期待しているが、金融当局者は総じて中立金利の問題に不可知論的な立場を示しており、議長がそうしたアプローチから逸脱する公算は小さい。

  一方、パウエル議長は昨年の会合の講演で、インフレ抑制のためには何でもする姿勢を表明した。しかし、ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は「経済見通しは純然たる意味で不確実性が増しており、今回のパウエル議長の講演がそれほど簡潔で明瞭なものとなるとは考えられない」と話す。

  ポーゼン氏はその上で、「中央銀行の政策決定はある意味、目標までの道のりが遠い場合の方が簡単だ。正しい政策に近づいて手探り状態にあるが、そこにあるか分からないというケースの方が難しく、米金融当局は今まさにそのような状況にある」と説明した。

原題: Powell to Map Final Steps in Inflation Fight at Jackson Hole(抜粋)

(中立金利に関する議論などを追加して更新します)

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