写真はイメージです Photo:PIXTA
仕事に取られていた時間を
自分の時間に回せていた
昨年の今頃は、まだマスクをしていた。感染症法上の位置付けが2類相当だったし、どんな変異種が出てくるかわからない中で、楽観できない状況にあった。とはいえ、今振り返ると、家に閉じ込められ、不安でつらい時期もあったはずなのに、コロナの時期って意外に良かったな、などと思ったりしている。
仕事においては、コロナ時には不要不急のことはしないということになったため、やることはルーチンワークだけであった。それは新たな挑戦の機会を減らすことになったとはいえるものの、予期せぬ問題への対応から解放され、それに伴う人間関係の煩わしさが激減したのだった。新たな試みをしなければ、余計な文句を言われることもない。
無理な注文を取ろうとしなければ、他部署に負担をかけて嫌みを言われることもない。無理な売り上げ目標の設定がなければ、上司からプレッシャーをかけられることもないのだということを知った。もしかしたら、社会主義の計画経済が想定していた理想の経済運営とはこのようなものなのだろうなと思ったくらいである(ただし、イノベーションが起こらないということは言うまでもない)。
通勤時間の大幅な短縮は、一日のスケジュールに大きな変化をもたらした。在宅であればゼロ時間であり、通勤したとしてもガラガラの電車では体力消耗がない。このことにより余裕が生まれた。個人的な時間を享受できるようになり、家族や趣味に費やす時間が大幅に増えた。
たとえば、筆者のエンターテインメントに対する好みは劇的に変化した。
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