この後編では、それをもとに、「ファインマン型」とよばれる量子コンピュータについて解説していきます。
9つのステップ
1 何を計算したいのかを決める。
2 量子論理ゲートを組み合わせて計算回路を組む。
3 その計算回路を実現するハミルトニアンを計算する。
4 H のユニタリーな時間発展を計算する。
5 メモリーのサイズを決める。
6 メモリーを初期化する。
7 コンピュータをある時間走らせる。
8 カーソルのキュービットを観察して計算が終わったかどうか確かめる。
9 終わっていたら答えのキュービットを読む。終わっていなかったら、射影された状態から、さらに時間発展させる。
――――――――――――――
一つずつ解説してゆきましょう。
まず、古典的なコンピュータでは情報の単位として「ビット」という概念をつかう。これは、0 か1 か、という二者択一のことである。量子コンピュータでは、これが、0 と1の「重ね合わせ」という不思議なものになる。量子力学では、物理系の状態は0 または1 に確定せずに、0 と1 の中間、すなわち2 つの状態が重ね合わさってもかまわないのだ。それを「キュービット」という。
次に、「量子論理ゲート」というのは、一言でいえば、論理計算をするための部品であり、数学的には「行列」であらわすことができる。
通常のコンピュータでは論理の真と偽を1 と0 であらわす。量子計算では、単なる数字の1 と0 の代わりに、状態\(|1>\)と\(|0>\) を
\(\left( \begin{array}{cc}
0 \\
1 \\
\end{array}\right)\)および\(\left( \begin{array}{cc}
1 \\
0 \\
\end{array}\right)\)
という2 行1 列の行列であらわす。すると、たとえば「否定」(NOT)の論理演算は、
\[\left( \begin{array}{cc}
0 & 1 \\
1 & 0 \\
\end{array}\right)\]
という2 行2 列の行列であらわすことができる。なぜなら、
\(\left( \begin{array}{cc}
0 & 1 \\
1 & 0 \\
\end{array} \right)\) \(\left(\begin{array}{cc}
1 \\
0 \\
\end{array} \right)\) = \(\left( \begin{array}{cc}
0 \\
1 \\
\end{array} \right)\)
\(\left( \begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1 \\
\end{array} \right)\) \(\left(\begin{array}{cc}
0 \\
1 \\
\end{array} \right)\) = \(\left( \begin{array}{cc}
1 \\
0 \\
\end{array} \right)\)
となって、量子的な「真」は「偽」に、「偽」は「真」に変換されるからである。真偽あるいは\(|0>\) と\(|1>\)を否定する(=逆さまにする)演算なのである。これは、
\[NOT |1>= |0>\]
\[NOT |0> = |1>\]
と書くことができる。
"ステップ" - Google ニュース
March 24, 2020 at 04:07AM
https://ift.tt/2WOyL0D
量子コンピュータ「2050年に実現可能」な9つのステップ!(竹内 薫) - 現代ビジネス
"ステップ" - Google ニュース
https://ift.tt/31GGWfK
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment