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Monday, March 9, 2020

【B1各クラブ現状チェック】底上げしたチーム力でさらなるステップアップを目指す〜秋田ノーザンハピネッツ - バスケットボールキング

新HCのもと今シーズンに臨んだ秋田 [写真]=B.LEAGUE

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

リーグ再開を待ちわびるファン・ブースターのために、B1リーグ18クラブの現状をチェックする企画がスタート! “Bリーグ・ロス”の皆さんがお気に入りのクラブの現状を把握して、今後の展望をイメージしてもらえれば幸甚だ。第8回は秋田ノーザンハピネッツ。新たなヘッドコーチを迎えて臨んだシーズンの“今”とは。

文=吉川哲彦

昨季から着実に進化

瞬く間にチームにフィットした古川[写真]=B.LEAGUE


 B1の舞台に返り咲いた昨季、残留プレーオフの影がよぎりながらも、運も味方につけてそれを回避した秋田ノーザンハピネッツ。オフの間に他チームの主力級選手の獲得に成功し、アシスタントコーチから昇格した前田顕蔵ヘッドコーチがどのようなチーム作りをするかが大いに注目された。

 フタを開けてみると、昨季リーグで突出していたファウル数とターンオーバー数が格段に減り、古川孝敏細谷将司といった新戦力もフィット。既存の選手も保岡龍斗がスコアラーとしての階段を上り、チームは10月を5勝4敗と勝ち越すと、11月には4連勝もあり、シーズン序盤は白星先行で推移した。

 現時点では18勝21敗。12月から1月にかけて7連敗を喫したのが悔やまれるが、昨季王者のアルバルク東京から2勝しているほか、宇都宮ブレックスからも1勝。西地区の上位2チーム、琉球ゴールデンキングス大阪エヴェッサとは4度ずつ対戦し、いずれも2勝2敗に持ち込んだ。強豪チーム相手にも粘り強く戦えるようになり、昨季からは着実に進化を遂げている。

 データから秋田の特徴をひもとくと、目を引くのがスティール数と被ファウル数の多さ。昨季同様のアグレッシブさが表れており、特にスティールは1試合平均が2ケタに迫る勢いだ。ただし、アグレッシブさの裏返しで2月のファウル数は1試合平均23.6個と、1月までの同20.1個から増えており、ここが終盤戦のポイントの1つになりそうだ。

ケガの功名でチームの底上げに成功

高精度の3ポイントを武器とする多田[写真]=B.LEAGUE


 そして、秋田にとって今後プラスに働きそうなポイントが選手のコンディション。ここまでは中山拓哉ジャスティン・キーナン白濱僚祐など故障者が続出し、まだシーズンの約3分の1が残っている現段階で全試合に出場している選手は野本建吾だけになってしまった。しかし、故障者に悩まされている間もウィリアムスニカらが奮闘し、シーズン途中に加わった現役大学生3人の中からは多田武史が即戦力として主力の不在をカバー。ケガの功名ながら戦力に厚みが出たことは大きく、すべての選手がいいコンディションで臨める終盤戦はさらなるステップアップが見込める。

 現状ではチャンピオンシップ進出はかなり難しく、残留プレーオフに回る可能性もまだゼロではない。まずは“借金”を完済することが至上命題であり、そこから一歩でもCSに近づいてシーズンを終えたい。強豪ひしめく東地区で勝率5割以上の成績を残すことができれば自信がつき、CS出場も自ずと来季の現実的な目標となるに違いない。

1月半ばに復帰した中山は直近2試合で2ケタ得点を記録[写真]=B.LEAGUE

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