日本ダービー東上最終便は波乱もあり
かつて菊花賞トライアルだった京都新聞杯が日本ダービーのステップレースになったのは2000年。移設元年に河内洋の夢を乗せたアグネスフライトがここと本番を連勝。その後は13年キズナ、19年ロジャーバローズと、京都新聞杯は3頭の日本ダービー馬を送り出した。トライアルの青葉賞やプリンシパルSとは対照的に東上最終便は日本ダービーとの結びつきが強い。 【天皇賞(春) 2021予想】牝馬の快挙かカレンブーケドール、牡馬の意地かワールドプレミア(SPAIA編) 今年は舞台を中京競馬場芝2200mに移す。左回り、急坂があるタフなコースに変わり、その結びつきを強める可能性も高い。ここでは過去10年のデータからキャリアやローテなど、コース設定を問わないであろう部分から京都新聞杯好走パターンを探っていく。 今年は皐月賞7着ディープモンスターが出走予定。皐月賞から中2週、しばしば皐月賞で日本ダービーの優先出走権を獲得できなかった馬が再挑戦するレースだが、1番人気は【2-2-1-5】で必ずしも実績上位馬が結果を出せてはいない。19年タガノディアマンテが皐月賞6着から参戦、1番人気5着だった。5番人気以内が8勝で上位人気はそれなりだが、19年11番人気1着レッドジェニアル、18年7番人気1着ステイフーリッシュなど伏兵が3着以内も含め激走する傾向がある。 3歳春シーズンも大詰めになると、キャリアが浅い組の好走は難しく、2戦以内は【0-0-1-15】。もっともいいのは5戦【6-1-4-19】勝率20%、複勝率36.7%。ほかに8戦【2-2-0-6】勝率20%、複勝率40%もいい。キャリア8戦はマカオンドールが該当する。
ポイントは皐月賞不出走馬
キャリアに通ずる傾向として、前走クラス別に重賞組と条件戦組をわけて詳しく傾向を探っていこう。 この時期ということもあり、前走が新馬・未勝利戦だった馬は【0-0-0-30】と壊滅。狙うなら、前走1勝クラス【6-6-4-50】勝率9.1%、複勝率24.2%か、前走重賞【4-2-5-26】勝率10.8%、複勝率29.7%。まずはディープモンスターなどが該当する前走重賞組を詳しく。 前走重賞組のレース別成績を調べると、皐月賞前の重賞、毎日杯【2-0-2-7】、共同通信杯【1-0-0-0】(18年ステイフーリッシュ)、スプリングS【0-1-1-4】、弥生賞ディープインパクト記念【0-0-1-2】、きさらぎ賞【0-0-1-1】の成績がいい。皐月賞に向かわずに日本ダービーに照準を定めた馬が優勢。皐月賞だった馬は【1-1-0-10】勝率8.3%、複勝率16.7%と振るわない。評価すべきはディープモンスターではなくルペルカーリア(前走毎日杯4着)だろうか。 ではルペルカーリアは好走パターンにハマるのか。毎日杯の着順別成績をみると、該当する4着は【0-0-1-0】。15年6番人気3着アルバートドックがいるが、毎日杯組は1着【2-0-0-1】が狙い目。必ずしもディープモンスターよりルペルカーリアとはいえない。 皐月賞組を比較する場合、上位着順馬はだいたい日本ダービー直行なので、着順別成績では区別しにくい。そこで位置取り別成績を調べる。先行【1-0-0-1】、中団【0-1-0-5】に対して後方は【0-0-0-3】で好走馬が出ていない。皐月賞で16頭立て4コーナー14番手から7着だったディープモンスターにとって歓迎ではないが、中京芝2200mは梅花賞と同舞台。最後の600m11.7-11.5-11.9を差し切っており、舞台適性は高い。 重賞組はデータ傾向から推せないとなると、前走1勝クラス【6-6-4-50】に注目。ここは前走距離別成績で探る。2200m未満だった馬は【2-4-3-36】、2200mだった馬は【1-1-1-2】、そして2200mより長いと【3-1-0-12】。同距離か短縮に注目すべき。前走が2200mだったエスコバル、マカオンドールら、もしくは2400mだったレッドジェネシスらを評価したい。キャリアも傾向に合致するマカオンドールは、同舞台の大寒桜賞を勝って、ここに参戦。有力候補といっていい。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。
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