第1クォーターでリードを奪う立役者に
7月30日、バスケットボール女子日本代表はアメリカとの大一番に臨んだが、3ポイントシュートが思うように決まらず69-86で敗れた。
3ポイントシュート成功率は26.3%と低調に終わり、指揮官のトム・ホーバスも「シューターたちが入らないと難しい。ウチのバスケットができなかった」と、試合を振り返った。こうした難しい展開となった中、3ポイントシュートを5本中3本成功させ、15分間のプレータイムで11得点を挙げたオコエ桃仁花の活躍は収穫と言えるだろう。実際に、唯一上回ることができた第1クォーターは、2本連続で3ポイントシュートを沈めたオコエの活躍があってこそだった。
初戦のフランス戦で持ち味を発揮できなかったオコエはチームで最も短い4分21秒の出場に留まった。オコエも「緊張であまり良いバスケットができなくて、チームの役に立てなかった」と悔やんだ。それでも、「このコートに立てる名誉だったり、ファンや支えてくれた方々の思いを持ってコートに立たなきゃいけないと第1試合で学んだ」というオコエは、アメリカ戦で見違えるようなパフォーマンスを披露し「今日は自分のバスケットができました」と力強い口調で語った。
自分よりも大きい選手に対してコンタクト負けしないフィジカルを持つオコエの存在は、サイズに課題を抱える日本において貴重だ。さらに3ポイントシュートをコンスタントに決めることができれば、相手ビッグマンを外に引き出し、ガード陣がペイントアタックするスペースを作り出すことにも繋がる。オコエも自分に期待されている役割を理解している。
「自分は大きい選手を引っ張り出して、中のスペースを空けるのが仕事です。相手が強くなればなるほどやっていかなきゃいけないですし、これからも自分の仕事をやっていきたい」
この試合で日本は6本のブロックショットを浴びた。純粋な1対1からブロックを食らうシーンもあったが、リムプロテクターをリングから遠ざけることができれば、このブロック数も改善されるはずだ。また、オコエの3ポイントシュートが警戒され、クローズアウトのシチュエーションからドライブでペイントエリアに侵入することができれば、日本のオフェンスバリエーションも増える。
フランス戦で納得するパフォーマンスができなかったものの、最強のアメリカを相手に臆することなくステップアップを果たしたオコエ。彼女がオリンピック期間中にさらに成長を続ければ、スモールバスケットの破壊力はさらに増し、金メダル獲得の現実味は増す。
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