平坦と登りフィニッシュが交互に現れるサウジツアー(UCI2.1)4日目は、ラスト8km地点で距離2.8kmながら平均勾配が12%、最大18%超の最難関山岳を超えるクイーンステージ。頂上通過後は下り記帳の平坦路が続くため、組織的な追走ができれば登りで遅れたメンバーにも復活チャンスが残されたレイアウトだ。
コンディションの良いカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)といったスプリンターや、2日前の登りを制したサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)らがどう登りをこなし勝負に絡めるか。それが当初の展開予想だったものの、この日は中盤に吹き付けた横風が集団を木っ端微塵に破壊。0km地点から逃げたコンチネンタルチーム勢の逃げをあっという間に捉え、3つのエシュロンがそれぞれ追走劇を繰り広げた。
この分断作戦を主導したのはやはりクイックステップ・アルファヴィニルだった。不発に終わった前日のリベンジかのように、ウルフパックは20名前後の第1グループに5人(バジオーリ、バッレリーニ、デクレルク、シュタイムレ、ファンレルベルへ)を乗せ、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)やダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)らと共にローテーションを回していく。この先頭グループに乗り損ねたブイトラゴは第2グループ、ユアンは第3グループ内でそれぞれ復帰を目指したものの、全速力で逃げる先頭グループはぐんぐんとリードを拡大し続けた。
こうして超ハイスピード展開のまま、15名の先頭グループは約1分リードで勝負どころの山岳に到着。クイックステップのアシストたちが捨て身のペースアップを行い、15%超勾配でアンドレア・バジオーリ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)が発進した。
蛇行する選手が現れるほどの18%〜19%勾配で、バジオーリには共に先頭集団に入っていたマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・スーダル)が追いつき、暫くのランデブーののちに引き離してみせる。頂上に用意されたボーナスタイム(先頭通過で-3秒)を獲得したファンヒルスが、失速するバジオーリを置き去りにして、残る平坦区間を駆け抜けた。
総攻撃を掛けたクイックステップ勢を撃破し、ワールドツアー2年目のファンヒルスがプロ初勝利と共にクイーンステージを制覇した。バジオーリは失速して後続グループに飲み込まれ、元々の第2グループに入っていたブイトラゴは登りで2位グループに追いついたもののファンヒルスから40秒遅れが精一杯。ファンヒルスが総合成績首位躍進に成功している。
「僕は決して勝利が多い選手じゃない。それだけに今日成し遂げたことは僕にとって特別だ。チームは僕を第1エシュロンに送り届けてくれて、その後は僕の走りにかかっていた」と、36秒リードを手にしたファンヒルスは言う。チームによればユアンはファンヒルスが総合表彰台に上がった場合に新しいスニーカーを買うことを約束していた。「明日はカレブの日になる。スニーカーの件は元々彼が言ったジョークだけど、日に日にリアルになっているよ。うまくいけば明日新しいスニーカーをもらえると思う」と、ファンヒルスは冗談混じりに話している。
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