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Monday, April 11, 2022

人事面談とは?種類や進め方の手順6ステップ・注意点を解説 | ツギノジダイ - ツギノジダイ

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 人事面談とは、上司と部下が1対1で対話を実施することです。

 一般的には、人事評価の結果を伝える面談や、業務遂行における課題解決のための面談、さらには、業務上の認識を共有する面談などがあります。いずれの面談も、面談の効果やメリットを理解せず儀礼的に実施してしまうと、その効果を発揮しにくくなります。

 人事面談のメリットは、主に次の3つです。

  • 部下自身の能力開発につながる効果
  • 評価の納得度を高める効果
  • 心理的安全性の構築

 仕事の進め方に不安を抱えていたり、どの程度のチャレンジをすればよいのかわからなかったり、自身の評価に納得できなかったりすれば、仕事に対する意欲が向上しにくいでしょう。個人の成長を組織の成長に結びつけるためにも、これらの不安を解消し課題を明確化するためにも、人事面談は重要なのです。

 人事面談で行われる内容はさまざまですが、大まかに次の4つに分けることができます。

 評価面談に代表されるように、上司から部下に評価結果のフィードバックをするための面談です。この面談により、部下は自身にどのような課題があるのかを認識し、弱いところは克服、強いところは伸ばせるように、上司と一緒にその方策を検討する面談です。

 結果を伝えることにとどめず、部下育成を主軸に置いて、結果の納得度を高められるよう対話を進めることが重要です。

 評価期間の中間に、目標の再確認と進捗状況の確認を行う面談です。評価期間後半に向けて課題を明らかにし、上司と部下で解決方法についても話し合います。目標の達成状況を共有することで、残りの期間に向けて目標達成意欲の向上が期待できます。

 部下の目標を確認し、設定するための面談です。部下が立案した目標を上司が確認し、必要に応じて修正の依頼やアドバイスを実施します。

 目標とは、「いつまでに・何を・どこまで(達成基準)」が具体的に書かれていなければ、期末に評価が実施できませんので、書きぶり(上司と部下が双方理解できるよう、わかりやすく書けているか)や内容のレベル感(現在の職位に照らし合わせて、甘くなっていないか・厳しくなりすぎていないか)を中心に実施します。

 また、業務遂行にあたっての不安や課題なども確認し、適宜アドバイスを行うことで、日々の業務への不安を取り除きます。

 近年、注目されている面談手法の一つに1on1ミーティングがあります。上司と部下による1対1の定期的な面談で、2週に1回、最低でも月に1回実施するものです。

 人事評価のフィードバック面談のように目標や成果を確認したり、業務の報告を求めたりするような管理のための面談ではなく、部下の現状に寄り添いながら部下の能力を引き出していく人材育成のための面談です。

 人事面談は、上司が管理のために実施するのではなく、部下が前向きな気持ちで仕事に取り組めるように、相手の成長を願って向き合うことが重要です。

 「仕事が忙しくて、人事面談に割く時間がない」「人事面談は面倒なものだ」と思うのではなく、人事面談は上司としてのマネジメント業務の1つであると認識しましょう。

 それを念頭に、以下の6ステップで進めてみてください。

 1対1の面談は、誰しも緊張するものです。特にフィードバック面談であれば、これから評価結果を伝えられるという緊張感があります。自分と上司の評価が異なることへの不安、悪い結果かもしれないと思う不安など、ネガティブな気持ちで面談に臨む部下も多いでしょう。

 また、上司側が一方的に話す面談にならないようにするためにも、面談の空気づくりが重要です。対話ができる雰囲気を作るためのアイスブレイクを入れて、お互いがリラックスして話ができる場を作りましょう。

 とはいえ、「最近どう?」など答えにくい質問や、「なんだか寒いねぇ。さぁ、面談始めようか」と取って付けたようなアイスブレイクではなく、相手が答えやすい雑談から始めることが肝要です。

 評価を伝えるときは、まず、今期もしくは前回の面談から今日までの間の取り組みについて、良かった点を取り上げましょう。

 その際、無理に褒めるのではなく、「認める」というスタンスが重要です。大きな成果ではなくても、「コツコツ取り組みましたね」や「回答がスムーズでしたね」と日頃から取り組んでいることを伝えるとよいでしょう。

 これにより、上司が自分の仕事ぶりを認めてくれているという認識が生まれ、承認してくれた上司への好意と信頼感が高まり、上司のアドバイスや支援を受けれやすくなります。

 承認のメッセージを伝えた後、ここからは部下自身に自分の状況を振り返ってもらいます。

 いきなりこちらからの期待や希望を一方的に伝えていては、対話になりません。「これから一緒に振り返りをしたいと思いますが、まずは○○さんの考えを聞きたいと思います。これまでの取り組みについてどのようにお考えですか。ざっくばらんに聞かせてください」と話を促しても良いですし、話が出てこない部下であれば「あの仕事はずいぶんと苦労して取り組みましたよね。いかがでしたか?」と仕事を特定しながら状況を聞くと良いでしょう。

 話の中で、問題点や本人の弱い点などが出た場合は、その点を率直に伝えましょう。相手を傷つけまいとオブラートに包んだり、言いにくいからと伝えずにいたりすると、本人のためになりません。

 また、本人の自覚がない場合は、こちらから問題点を伝えます。その際「本当は言いたくないんだけど……」や「立場上、言わせてもらうけど……」など自己保身の言葉を入れないよう注意しましょう。自己保身の言葉を言われた部下は、「私のための指導じゃないんだ。自分の立場を守りたいだけなんだな」と残念な気持ちになり、上司の指摘に対して心を閉ざしてしまいます。

 相手を傷つけたくないのであれば、「ここから先は、少し耳の痛い話かもしれませんが、少しだけ聞いてもらえますか?」と相手への配慮の言葉を率直に述べたほうが良いです。

 さらに、ネガティブな内容を伝える際は、具体的な事実にもとづいて説明しましょう。曖昧(あいまい)な説明や憶測で伝えようとすれば、印象で伝えられたと不満に感じます。

 ここからは、今後に向けた指導助言です。能力を向上させるためにどんな取り組みをすればよいか、組織や個人としての業務の進め方においての障害がないかなどを確認します。

 キャリアや仕事の進め方のアドバイスなどでは、上司自身が自分の経験を話すのも良いでしょう。昔話を一方的に聞かされるのは鬱陶(うっとう)しいでしょうが、「私がこの仕事に取り組んだときは、○○について気を付けていたよ」など、アドバイスの中に自分の体験を交えながら言うと自然に伝えることができます。

 また、どうしても自身の体験談を話す場合は、「話してもいいですか?」と許可をもらってから話すと、押し付けられた感覚がなくなり、話を受け入れられるようになります。

 部下自身が今後どのようなキャリアを積みたいのか、どのような仕事をしたいと思っているのか、適宜確認しておきましょう。

 仕事や人間関係のミスマッチでストレスを抱えていたり、やりたいことの方向性がキャリアとともに変化したりすることもあります。その点を確認し、個人の目標と組織の目標を近づけていくのも上司の仕事です。

 お互いが不安な点を残したままにしてしまうと、せっかくの面談が無駄になってしまいます。気になる点があれば、遠慮なく言ってもらえるよう促してください。

 とはいえ、部下が攻撃的な状態で、上司と180度意見が異なってしまい、対話が平行線を辿(たど)るような場合は、この場で議論せず、一旦引き取って時間を置いてから対話をした方がよいでしょう。

 面談の中で次の目標や課題を伝えた場合、次の面談までの間にどのような行動をとっているのか、日頃から部下に関心を持って行動観察し、記録をつけておくことが必要です。

 行動観察というと、監視をしているように思うかもしれませんが、上司は自身の指導根拠、評価根拠を伝える責任があります。曖昧ではいけませんので、ポイントだけでも記録をしておくことが必要です。

 また、部下との対話を面談頼みにせず、日頃のコミュニケーションを充実させることも重要です。

 部下に対して気になる点があった場合に、次の面談で指摘すればいいと放置し、面談のときに過去のことを持ち出して指摘しようとする上司がいますが、部下にとってみれば「そのくらいのことならば、その時に指摘してくれればいいのに」となることもあるでしょう。日頃のコミュニケーションで伝えやすい環境があるからこそ、面談でのアドバイスが有益になるものと考えます。

 最後に、人事面談を実施するときの注意点をご紹介します。面談を担当する際の心構えとして、おさえておくことをおすすめします。

 部下が上司に信頼感を覚えるのは、何においても「聞いてもらえた」と感じるときです。上司が話し手になってしまい、相手の話を深められないでいると、信頼関係は生まれません。聞く8割、話す2割くらいのつもりで面談に臨むとよいでしょう。

 結果として5対5程度の割合におさまっており、適度な対話ができていると思います。

 人事面談は、部下の能力を向上させ、モチベーションを維持するための手段のひとつです。「納期を守れなかったあなたが悪い」と相手を非難するのではなく、「納期を守れないことがあった」と具体的事実をもとにフィードバックすることが肝要です。

 思ってもいないのに褒めることや、自分は思ってないが周りの人がそう言ってるなどと、迎合したり逃避したりすると、上司の信用と信頼を損ねます。

 部下の意見を突っぱねる必要まではありませんが、自分の意見は自分の意見として「私の目には、こう映ってますよ」と素直に伝えることが重要です。

 人事面談は、放っておくと上司が部下に対して持論や見解を展開しがちです。しかし、本当に大事なのは、考えを押し付けることではなく、相手と“真の対話”をすることです。

 他人でも身内でも考えや感じ方が異なるのは常です。自分の視点で物事を論じて相手を言い負かそうとするのではなく、相手の視点に立って相手の気持ちを理解しようとし合うことで、物事が客観的に見えるようになります。そして、相互理解を深め信頼感を築いていくことができます。これが“真の対話”だと思います。

 職場では論理的であることも求められますが、人間には感情があることも忘れず、相手と向き合うことも重要です。そうして向き合えた組織こそ、個人の成長と組織の成長を実現していくのです。

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