敗戦後、満州(現中国東北部)などに置き去りにされた在留邦人が、ソ連兵から受けた略奪と暴行は数多く語り継がれている。朝鮮半島から引き揚げた作家の五木寛之さんは、収容施設に来たソ連兵が「女を出せ」という現場を目撃している。一番こたえたのは、連れて行かれた女性が戻ってくると、いたわられるどころか、「あの人には近づくんじゃない」と大人が語っていたことだったという。
女性たちはどんな思いだったか。岐阜県から満州に渡った開拓団の生存者に取材した本書は、「団の皆を守るために犠牲になってくれ」と懇願され、ソ連兵の「接待」に出された女性の悲劇を掘り起こす開高健ノンフィクション賞受賞作である。「人柱」とされたのは数え年で18歳以上の未婚女性。屈辱と苦しみは、命からがら祖国に戻ってからも癒えることはなかった。
団幹部の謝罪の言葉もなく、キズものと
からの記事と詳細 ( 『ソ連兵へ差し出された娘たち』平井美帆著(集英社) 1980円 - 読売新聞オンライン )
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