村田椰融による同名コミックを原作に据え、堤真一が主演を務めるホームドラマ『妻、小学生になる。』（TBS系）の第9話が3月18日に放送された。10年前に事故死した妻・新島貴恵(石田ゆり子)が、小学4年生・万理華(毎田暖乃)になり、主人公・圭介(堤)と娘・麻衣(蒔田彩珠)のもとに現れる物語。前回、万理華は生まれ変わりではなく、万理華の「消えたい」気持ちと貴恵の「生きたい」気持ちがリンクしたことで、貴恵が万理華に憑依していたことが発覚した。
そして、貴恵の意識は消え、万理華の人格が戻って来る。
万理華は、夢を見たと言い、万理華のことが誰にも見えていなかったことや、家から自分とそっくりの子が出てきたこと、その子は明るく元気で、頭が良くて人気者だったので、自分が家に帰るのはもうやめようと思ったことなどを語る。そんな万理華に、母・千嘉(吉田羊)は、自分が会いたかったのはここにいる万理華だと言い、悲しい思いをさせていたことを詫びる。
一方、貴恵を失った新島家はというと･･･。心ここにあらずの圭介を守屋（森田望智）は心配するが、圭介は貴恵がまた万理華としてくるのではないかと、寺カフェに毎日通っていた。また、再び自分の部屋にこもる麻衣を蓮司（杉野遥亮）が心配して訪ねて来るが、麻衣は「しばらく一人になりたい」と心を閉ざすばかり。
貴恵の弟・友利（神木隆之介）は、憑依していた吉原（水川かたまり）がいなくなり、自身の人格が戻って来た出雲（當真あみ）を励ますものの、心にぽっかり穴が開いた状態に。
しかし、そんな圭介達に、変化が訪れる。「ママがいなければ生きる意味なんてない！」「10年前、あのとき私、ママと一緒に消えちゃえば良かったね」と自暴自棄になる麻衣に、圭介は10年間自分の悲しみに浸るばかりだったことを詫び、二人で生きていく道を探さなければと声をかける。なぜ貴恵が小学生になってまでも会いに来てくれたのかを考えるうち、自分の情けなさと向き合うことができたのだろう。
そして、「これからはなくしたものじゃなく、ママがくれたものを見つけて生きていかないと」と言い、麻衣と向き合い、焦げた唐揚げとしょっぱいオムライスを涙と一緒に笑って飲み込む。また、友利も漫画を描き上げ、一歩踏み出すのだった。
しかし、驚くのは、貴恵に体を貸していた万理華にも変化が起こったこと。友人たちにキャラが違っていたと言われ、自分の中に別の人格があったと感じる万理華は、母にそれを伝える。すると、千嘉は貴恵が「とっても優しい人」で、10年前に亡くなり、家族が心配でどうしても会いたくて万理華の体の中に入ってしまったのだと説明する。
自分の娘の体がのっとられていたのに、貴恵にいっぱい親切にしてもらい、優しくしてもらった感謝を抱き、何にもお返しできなかったという千嘉。千嘉がずっと一人抱えてきた孤独を理解し、初めて寄り添ってくれたのが貴恵だったのだろう。
一方、貴恵は成仏の仕方がわからず、一人、夜の公園で「お迎え」を待っていた。そこに現れたのが、万理華の魂だ。
「いいの？ ホントにさよならしていいの？」
万理華に尋ねられ、ワガママさせてもらったからと貴恵は答えるが、万理華は自分が消えているとき、やはりママや友人に会いたいと思ったと話す。
「会いたいって思うのはワガママなんかじゃないよ」
そう言う万理華の目はまっすぐ貴恵を見ていた。かつてはいつも目を合わさずオドオドしている子だったのに......。独りぼっちだった自分に貴恵が優しくしてくれたこと、貴恵から母がもらったもの、自分を失ってしまったこと、そして何より自身が「会いたい」という強い思いで戻って来たことで、万理華はおそらく誰より大きな変化を遂げていた。
そんな強く明るくなった万理華を前に、「もう一度だけでいいから会いたいよ、家族に会いたい」と子どものように泣きじゃくる貴恵。そんな貴恵の頬に、優しく手を触れる万理華。すると･･･。
年齢もキャラクターも大きく異なる二人が、同じ体でつながり、近づき合い、かつて貴恵がくれた優しさを、今度は強くなった万理華が本音を見せる貴恵に「奇跡」として返してくれる見事な構成に呻らされる。次回はいよいよ最終回。数々の奇跡の行方を見守りたい。
（文・田幸和歌子／イラスト・まつもとりえこ)
【最終話（3月25日[金]放送）あらすじ】
妻・貴恵（石田ゆり子）が、「生まれ変わった」と白石万理華（毎田暖乃）の体を借りて戻ってきた奇跡を経た圭介（堤真一）と麻衣（蒔田彩珠）。
これからの人生は貴恵がくれたものを見て、前を向いて歩いて行こうと決めた2人だったが･･･。
◆番組情報
『妻、小学生になる。』
毎週金曜日22：00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
また、Paraviオリジナルストーリー「ヤコ、ショウがクセになる。」も独占配信中。
からの記事と詳細 ( 【ネタバレ】『妻、小学生になる。』最愛の妻との別れ？貴恵と万理華の対話 | PlusParavi（プラスパラビ） - Paravi（プラスパラビ） )
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