人的資本経営を目指して、制度設計や施策に取り組む。同時に、現場でのマネジメントを適切に機能させることが重要となる。
今回から、人的資本経営を実践するために必要な、現場レベルの具体的なマネジメントの在り方を数回に分けて解説します。
人的資本は「心を持つ資本」
本連載ではこれまで、「人材価値の向上」「人材価値の活用」「人材価値の循環」の3つの観点から人的資本投資について見てきました(下の図左)。ただし、人的資本投資の一環として制度設計や各種施策を講じても、実際に現場でのマネジメントが機能しなければ人的資本を活かすことはできません。具体的に人材に対してどのように働きかけるかをセットで検討する必要があります。
なぜなら、人的資本は「心を持つ資本」だからです。「資本」という言葉を使っていますが、向き合うのは人間であり、働く人のパフォーマンスはモチベーションや人間関係によって変化します。
その人への期待や信頼、協働する人の組み合わせや関係性─といった要素で価値が高くなったり低くなったりするところが人的資本の面白さであり、難しさであるといえるでしょう。
人的資本、すなわち人材をどのように捉えるか、人材にどのように働きかけていくか。私たちは重要なポイントを、「人材の捉え方」「人材を活かす仕組み」「人材への働きかけ」と3つのステップに整理しました(上の図中)。
「変化対応力」を高める
現場マネジメントの実践に入る前にまず考えたいことは、「人的資本経営の目的は何か」「どのような組織・人の状態を実現すべきなのか」についてです。当然ながら、最終的なゴールは経営目的の実現や企業価値の向上です。
そのゴールに到達するためには、人的資本経営によってどのような状態を生み出していけばよいのかを検討しなくてはいけません。
私たちが考える「目指したい状態」は、人と組織の「変化対応力(変化に対する適応力)」が高まることです(上の図右)。働く人が環境の変化を受け止め、周囲と協働して主体的に挑戦・試行する。そのプロセスを通じて、組織革新と適応のダイナミズムを生み出すのです。
からの記事と詳細 ( 現場マネジメントの3ステップ(1) | 日経ESG - 日経BP )
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