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Tuesday, April 11, 2023

ガマン比べの戦いで奮闘した最小兵ルーキー 大分決戦のカギは?【中野晶のステップ・アップ通信】 (2023年4月10日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

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ルーキーの大須賀望 2週連続V争いなるか?(撮影:福田文平)

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国内女子下部ツアーのステップ・アップ・ツアーは第4戦の「フンドーキンレディース」が大分県の臼杵カントリークラブで開催される。開幕してから1カ月。久しぶりの優勝に新鋭の活躍もあって今後の展開も気になるところ。そこで同ツアーで解説を務める中野晶に前戦の振り返りと注目選手、今大会のキーポイントを聞いた。

■ただでさえ難関…天候も影響した琵琶湖決戦
 
先週は国内主要ツアーのメジャー大会も開催されてきた琵琶湖カントリー倶楽部が舞台。大会は2日目が悪天候のため中止となり36ホールの競技に短縮されたが、初日と最終日は天候が様変わりした。「初日に13人いたアンダーパーが終わってみれば4人でした。気象条件の影響があったと思います」と中野は見る。
 
初日は風速が1m/秒以下で気温も18度。ところが最終日は風速が6m/秒近くまで上がり、気温は13度に低下(いずれも正午の数字)。「風でグリーンも乾き、硬いグリーンがより硬くなりました。ホールによっては長いショットが残るホールもあったため、球のコントロール、グリーンで球を止めるのが難しかったと思います」と、天気によってスコア低下がもたらされたという見方ができる。
 
「ピンを攻めきるためのゴルフをさせてもらえなかった選手が多かったです」と、スコアを伸ばすよりも、耐えることが必要とされた。「パー5というのはトーナメントでは平均スコアがアンダーパーになることが多く、バーディを獲りたいホールと言えますが、今回は4つあるパー5のうち3ホールが平均でオーバーパーでした」と、結果を見ればスコアを伸ばす計算が立たなかったようだ。
 
そんななかで優勝を飾ったのは北村響。2014年のステップ初優勝以来、実に9年ぶりの勝利を挙げた。初日は1打差の2位発進で、最終日は最終組でプレーをし2アンダーで回り、見事な勝利を収めた。「地元の滋賀県出身でコースを知っていたというのもあるかもしれませんが、バックナインで耐えることができたのが北村さん。優勝したいという強い思いの勝利だったと思います」。パー5の17番はこの日バーディが3人。「気持ちがこもっていましたね」と中野が振り返るように、北村はここでバーディを奪取。後続に2打差をつけ、18番も勢いそのままにバーディとし、2勝目を締めくくった。
 
■ルーキーは苦戦も… トップ5に入ったのは?
 
技術に加え経験も必要、さらには耐える力も試された今大会。ルーキーたちにとっては厳しい2日間となった。トップ10に入ったのは5位タイの大須賀望ただ一人。初日を1打差の2位タイで滑り出し、最終日は3つ落としながらも、なんとかトップ5を守った。
 
身長は146センチとツアーではもっと小柄な選手だが、中野の目にはどう写ったのか。「ゴルフがうまいなと感じましたし、耐えていたと思います。良かった点としては、クラブを立てて使うことができていました。とてもオーソドックスなスイングです。小柄な選手はどうしてもフラットなスイング、つまり横振りになる傾向があります。大須賀さんは体幹もしっかりしていて体のバランスがとても良く、体のターンと腕の振りが合っているため、しっかりとしたスイングでした」とスイング面での評価は高い。
 
前半をイーブンで耐えて首位に食らいついていたが、10番でダブルボギーを喫し優勝争いから離されてしまった。それでもまだキャリア3戦目。「伸びしろはたくさんあると思います。見つかった課題を一つずつクリアしていくことです。優勝争いで何ができて何ができなかったのかを考えることです。『これだけはクリアしよう』とお題を見つけて克服していく。それを潰していくことが優勝へとつながります」と、次回へのエールを送る。
 
■大分の傾斜地に要注意 飛距離?精度?ポイントは…
 
琵琶湖での戦いから中2日。今度は舞台を大分県に移し、3日間の戦いが始まる。歴代優勝者の顔ぶれを見ると、ショット力に定評のある選手が名を連ねる。果たしてどんな展開になるのか。
 
「飛距離よりもポジショニングが大事ではないでしょうか。ショットの置きどころ、傾斜地からのショット。あらゆるライに対するアレンジ力が必要になってくると思います」と、適度なアップダウンがあるコースでは、『どのような球で、どこに運ぶか』がポイントになる。
 
「どちらか一辺倒の球筋ではなく、軽くドロー、軽くフェードといったティショットの打ち分けも必要です。その日のピンの位置によって理想的な球筋を考えて攻めないといけません。ティショットもグリーンを狙うショットも、しっかりと打ち分けをしてほしいですね」(中野)
 
河本結、リ・ハナ(韓国)、小野祐夢、野澤真央、石川明日香といったレギュラーツアーでも顔を見る選手が制してきた一戦。ここで上位に入ることが、今後のステップ・アップにつながっていきそうだ。
 
解説:中野晶(なかの・あき)
1987年のプロテストに合格し、90年に賞金ランキング25位に入りシード権を獲得。以降、ツアー通算9勝。2000年には同ランキング2位に入った。現在はテレビ解説や日本女子プロゴルフ協会の大会コースセッティングも担当するなど、幅広く活躍を続けている。


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