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Sunday, April 23, 2023

「早く戻って」祈り続け 不明長男の帰り待つ父―知床観光船事故1年 - 時事通信ニュース

andisendi.blogspot.com

2023年04月24日07時13分

知床観光船事故で今も行方不明となっている小柳宝大さん(家族提供)

知床観光船事故で今も行方不明となっている小柳宝大さん(家族提供)

  • 観光船に乗る前に小柳宝大さんが父親に送ったLINEのメッセージ(家族提供)

 北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故では、今も乗客6人の行方が分かっていない。長男、小柳宝大さん=当時(34)=の帰りを待つ福岡県の父親(64)は「朝も夜も『早く戻ってきますように』と祈っている」とつらい胸中を明かす。

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 宝大さんは大手外食チェーン「リンガーハット」に勤め、カンボジアに赴任していた。明るい性格で、誠実で真面目。家族5人でLINEのグループを作り、海外にいてもよく連絡を取り合った。「離れていてもいろいろと家族のことを気遣ってくれた」と振り返る。
 当時は一時帰国中で、会社の上司と北海道を旅行後、実家に帰省する予定だった。事故当日の朝、「今から知床に移動。遊覧船で知床半島の絶景を見てくる!写真たくさん撮ってくるね」とLINEを送った宝大さんに「はい。行ってらっしゃい」と返したのが最後のやりとりだった。
 事故を知ったのはインターネットのニュース。宝大さんが乗っていた船だと直感し、「力が抜けた」と話す。海上保安庁に電話して乗船を確認すると、翌朝すぐに飛行機で現地へ向かった。
 所持品のカメラなどは事故の約1カ月後に発見されたが、宝大さんは今も家族の元に戻っていない。「国の監査やJCI(日本小型船舶検査機構)のずさんな検査、海保の初動の遅れが事故につながった」という思いは強まるばかりだ。
 運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(59)からは反省が感じられないといい、「逃げ隠れせず世間に出てきてもらいたい」と憤る。「気持ちの整理を付けていかなければと思うが、それでもときどき悲しくなる」と、やり場のない感情を吐露した。

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