ヨーロッパ各国が参加する毎年恒例の歌合戦「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」の決勝が13日、英リヴァプールで行われ、スウェーデン代表のロリーンさんが優勝した。女性アーティストとして初めて、全体では2人目の、2度目の優勝を果たした。
ユーロヴィジョンは、40カ国以上が参加する欧州最大の音楽の祭典。各国の予選を勝ち抜いた代表が楽曲を披露し、各国の審査員とテレビ視聴者による投票で優勝者が決まる。
ロリーンさんは楽曲「Tatoo」を披露し、審査員投票で1位を獲得。その後、視聴者投票が加算される中でも1位を維持し、合計583点で優勝した。
ロリーンさんには、前年優勝したウクライナ代表「カルーシュ・オーケストラ」からトロフィーが手渡された。
バックステージに戻ったロリーンさんは、「今はひたすらたくさんの愛情でいっぱいで、それに尽きます。本当に感謝しています。こんなこと、夢にも思っていませんでした」と話した。
「全てが現実じゃないみたい。もう6カ月もこの楽曲に取り組んでいたので」
その上でロリーンさんは、「分からないけど、また戻ってくるかもしれません」とジョークを飛ばした。
「正直、全ては創造性とパフォーマンスなので」
ロリーンさん(本名ローリーン・ジネブ・ノラ・タルハウィさん)は、モロッコ出身の両親を持つ。多くのユーロヴィジョン出場者と同様、母国のタレントショー「Idol 2004」に参加し、注目を集めた。
国内でもいくつかのヒット曲を持つが、2012年にユーロヴィジョンで初優勝した「Euphoria」がもっとも有名。
次点はフィンランド代表カアリアさんの526点。視聴者部門ではロリーンさんの2倍以上の票を獲得し、3位のイスラエル代表のノア・キレルさん(362点)にも大きく差をつけた。
イギリス代表のメイ・ミュラーさんは25位だった。
ウクライナへの連帯色濃く
ユーロヴィジョンは前年に優勝アーティストを輩出した国が開催地となるルールだが、2022年に優勝したウクライナではロシアによる侵攻が続いているため、審査員による投票でイギリスが開催国となった。
イギリスにとっては9回目の開催で、そのうち代理開催は5回目となる。
13日午後8時に始まったコンサートではまず、前年優勝のカルーシュ・オーケストラが、「Stefania」を披露した。
これには事前に撮影された映像で、ジョス・ストーンさんやサム・ライダーさん、サー・アンドリュー・ロイド=ウェバーさんといったイギリスのアーティストが演奏に参加。イギリス王室のキャサリン皇太子妃も、ピアノでカメオ出演した。
「Stefania」は、リードボーカルのオレフ・プシュクさんが母親への感謝を表現した曲。その情緒あふれる歌詞は、ウクライナそのものへの叫びや賛辞だと解釈されるようになった。
カルーシュ・オーケストラはさらに、ロシアの侵攻に対する抵抗をうたった新曲「Changes」を披露した。
その後、決勝に勝ち進んだ26カ国の代表が次々に歌を競い合った。
ウクライナ代表の「トヴォルチ」は、昨年3月にウクライナ東部マウリポリの製鉄所で抵抗を続けていた部隊を見て作曲したという、「Heart of Steel(鉄の心)」を演奏した。
ロシアはウクライナ侵攻を理由に、昨年から出場を拒否されている。一方ユーロヴィジョンの主催者は今回、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がコンサートで演説することを許可しなかった。
ウクライナ代表以外からも戦争にまつわる言及はあり、ユーロヴィジョンとしては極めて政治色が強いものとなった。
クロアチア代表の「Let 3!」は楽曲の中で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「サイコパスのワニ」を表現した。チェコ代表のバンド「ヴェスナ」はウクライナ語で、「私たちは心の中で一緒にいる」と歌った。
からの記事と詳細 ( 欧州歌合戦「ユーロヴィジョン」、スウェーデン代表が2度目の優勝 女性として初 - BBCニュース )
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