事業改革を成功させるために必要なこととは?(写真:prathanchorruangsak/PIXTA)
多くの日本企業がグローバル競争を強いられ、苦しんでいます。「国際競争を戦っていくためには日本の個々の企業の戦闘力を上げなければならないが、いっこうに上がっていない」と指摘するのが、ボストン・コンサルティング・グループ出身で、事業再生の専門家であり、ミスミグループ本社のCEO(現在は名誉会長)も務めた三枝匡氏です。
その三枝氏が今回は、改革を成功させるための9つのステップについて解説します。
会社の改革がうまく進むときの共通パターン
私は、自分が関与してきた改革ケースを分析してその進め方の共通パターンに気づき、それを「成功9つのステップ」と名づけた。会社の改革がうまく進むときには、業種や状況の違いがあっても、必ずこのステップがきちんと踏まれている。停滞や失敗が起きるときは、そのステップのどこかで改革の勢いを殺す障害が発生している。
●第1ステップ:「期待のシナリオ」と「具体性不足の壁」
強いリーダーや組織は、自分たちの改革がうまくいっているかどうかを判断する「基準」を持っている。それは予算とか計画のような形で文書化や数値化が行われていることもあれば、改革リーダーが心の中に抱いている「思い入れ」や「願望」の場合もある。
そのような基準のことを、私は「期待のシナリオ」と呼ぶ。その内容は改革の行動ステップ、スケジュール、あるいは最終的に目指す「できあがりの姿」などが、できるだけ明確に示されていなければならない。
それを基準にして、いま改革がどう進んでいるかを見たとき、「このままではまずい」と気づけば、改革者は何らかの是正行動を起こす。
もし「期待のシナリオ」が曖昧で、現実の改革実行がうまくいっているかどうかの判断ができないものであれば、「これはまずい」と気づくことはできない。そうなれば行動の是正は行われず、そのまま進んで改革の停滞や行き詰まりに至りかねない。だから改革の成功を危うくする最初の障壁を、私は期待のシナリオの「具体性不足の壁」と呼ぶ。
期待のシナリオを書くのは容易ではないが、闇雲に改革を始めて停滞や失敗を起こすよりは、冒頭でしっかり考え抜いて立案し、それを幹部・社員がきちんと共有することが重要である。
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