10年以上の年月を経て返還の道筋がついた――。韓国大法院(最高裁)は26日、韓国人窃盗団に盗まれた仏像の所有権について、観音寺(長崎県対馬市豊玉町小綱)にあると認めた。
仏像は、長崎県指定有形文化財の「
だが、仏像は返還されず、韓国の
村瀬さんは「時間はかかったが、ご本尊様が戻って来られることを願っていた。檀家にとってご本尊様は大切な心のよりどころ。二度と手放したくない」と話した。
村瀬さんの父親の敬三さんは、昨年3月に90歳で亡くなるまで観音寺の永久総代を65年間務めてきた。「おやじは寺を守ってきたことを誇りにしていた。まさかご本尊様が盗まれるとは思っていなかった」と村瀬さん。「『戻ってくるまでは死にきれん』と言っていた。おやじにも、いい報告ができる」としのんだ。
また、仏像が返還された際の保管方法について、「寺は無住で防犯設備はない。地域は過疎になり、住民も高齢化している」とし、「対馬博物館で保管し、寺にはレプリカを安置したいと考えている。皆さんと相談して決めたい」と語った。
対馬市の比田勝尚喜市長は「待ち望んでいた正当な判決で、うれしく思っている。一日も早く所有者のもとに仏像が戻ってくるよう、関係機関と調整し、必要な手続きを進めたい」とのコメントを出した。
大石知事は「仏像は地域の人々にとって大きな心のよりどころとなり、歴代伝えられてきた貴重な財産だ。正当な権利が認められたことは、大変喜ばしい」とコメントした。
また、朝鮮通信使など、日韓交流をテーマに両国で写真撮影を続けている対馬市出身の写真家、仁位孝雄さん(82)(長崎市)は「本当にうれしい。これまで喉元に骨が刺さったような感じだったが、ようやく正常に戻った気がする」と喜んだ。
対馬市を支える観光業に携わる人からも、歓迎の声が上がった。対馬観光物産協会の西護事務局長(50)は「地域の人が大切にしてきた仏像であり、多くの人に文化財として見てもらえる日がきてほしい」と望んだ。
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