画像提供, Reuters
フィンランドは28日、ロシアから増加している亡命希望者の流入を阻止するため、ロシアとの国境にある検問所を30日から12月13日までの2週間、物流を除き全面閉鎖すると発表した。
フィンランド政府は28日、唯一開放されている最北端のラヤ・ヨーセッピ国境検問所を30日から2週間閉鎖することを明らかにした。列車用の国境検問所1カ所は貨物輸送のため開かれたままになる。
フィンランドのペッテリ・オルポ首相は声明で、同国は「越境行為に終止符を打つ決意をした」と述べた。
フィンランド政府は、ロシアが亡命希望者をフィンランドに誘導する「影響工作」や「ハイブリッド攻撃」を実施しているとしている。
今月、約900人の亡命希望者がロシアを経由してフィンランドに到着した。フィンランド当局によると、モロッコやパキスタン、シリアなどから来た人たちだという。
27日にラヤ・ヨーセッピ国境検問所からフィンランドへ入ったのはわずか3人で、28日は0人だった。しかし、フィンランド政府は国家安全保障に対する脅威だとして、万全の対策を講じるとした。
差別禁止を掲げるフィンランドのオンブズマンは、同国政府が国際法のもとで亡命を求める権利を脅かしているとの懸念を示した。貨物輸送のため閉鎖を免れている列車用の国境検問所は、首都の北約900キロの場所にある。
政府は、船舶や航空機で到着した人は今なお亡命を求めることができるとしている。
フィンランド国境警備隊のマッティ・ピトカニッティ大佐はBBCに対し、国際難民法上の義務維持を対する法的懸念が、国境検問所を徐々に閉鎖している理由なのは、「間違いないことだ」と述べた。
また、移民のフィンランド入国をロシア当局が支援していると明確に示す証拠があると、国境警備隊は気づいているのだという。例えば、越境した移民がロシア側へ戻ってくるのを防ぐために、ロシアの国境検問所が閉鎖されていると、ピトカニッティ大佐は述べた。
フィンランド難民相談センターのピア・リンドフォース事務局長は、今回の政府決定により、亡命希望者が公式の越境ポイントではなく、同国とロシアの長い国境を構成する森や川を通ってフィンランド側へ越境してくるのではないかと心配していると、BBCに語った。
「冬となった今、こうした行為の危険度は、さらに増す可能性がある」
フィンランドはロシアと全長1340キロの国境を接しており、EU加盟国の中で最も長い。
リンドフォース氏は、フィンランド当局は国境のロシア側で支援を必要とする人に力を貸すべきで、不法に越境する人をロシア側に押し戻すべきではないと付け加えた。
「フィンランド国境警備隊が、この基本原則を破らないことを信じるしかない」
からの記事と詳細 ( フィンランド、ロシアとの国境検問所を2週間全面閉鎖 亡命希望者の流入増加で - BBC.com )
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