欧州中央銀行(ECB)は、利上げについて同中銀が掲げる「漸進的」アプローチは必ずしも遅いペースや小幅なステップでの引き締めを意味しないとの見解だ。6月政策委員会の議事要旨が示した。
それによると、漸進主義が1回に0.25ポイントを超える利上げの可能性を排除するものだとの概念は捨てるべきだと当局者らは論じた。選択性やデータ重視というECBの他の原則的指針に反する危険があるからだという。7月については大半が0.25ポイント利上げを支持したものの、より大きなステップの可能性を残すことを望むメンバーもいた。
6月8、9両日の政策委員会の 議事要旨は「漸進主義は必ずしも小さなステップでの遅い行動と解釈されるべきではないという合意があった」としている。
ECBは9月のさらに大きな利上げ可能性を示唆するとともに、インフレ抑制に向けその後も「持続的な道筋」を約束している。ただ、ロシアが今冬にエネルギー供給を遮断する恐れもある中で、どこまで利上げができるかには疑問符が付く。
議事要旨によれば、インフレ見通しへのリスクは「主として上向き」であり、一部の当局者はフォワードガイダンスが示す利上げの3つの基準は「一定の期間」満たされていると主張した。
利上げが遅れたとの認識は「原則として、7月により大幅な利上げを実施するか、2022年7-9月(第3四半期)後半の大幅利上げ可能性を明示的に示唆することで相殺されるだろう」との見解が示されたという。
利上げに伴う欧州債市場の分断化に対応するツールは「インフレ圧力を抑制する必要性と矛盾しない」とし、インフレ見通しに基づき必要に応じて政策正常化の加速に役立つことにもなるとの指摘があった。当局者らはそのようなツールを準備する作業を急ぐべきだと呼び掛けた。
ECBは6月15日に開催した臨時会合の議事要旨は公開しない。
ECB分断化阻止ツール、21日の政策決定に間に合うか不確実-関係者
原題:
ECB Agrees Gradualism Doesn’t Mean Slow Tightening, Small Steps(抜粋)
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