大相撲の元幕内で突き押しを中心とした激しい相撲で人気を集めた千代の国が、２１日、現役を引退し、年寄名跡の佐ノ山を襲名しました。
九重部屋の千代の国は三重県伊賀市出身の３３歳。
中学卒業後の平成１８年夏場所で初土俵を踏み、スピードを生かした激しい突き押しを持ち味に番付を上げて、６年後の初場所で新入幕を果たしました。
右肩の脱臼など、度重なるけがに悩まされて一時は三段目にまで番付を落としましたが、その後、幕内に返り咲き平成２９年夏場所では自己最高位の東の前頭筆頭まで番付を上げて現役時代唯一となる金星を横綱・鶴竜から挙げています。
このあと左ひざの手術を受けて休場が続き、幕下まで番付を下げましたが、再び幕内に返り咲き、３年前の１１月場所では２回目の敢闘賞を受賞するなどけがに屈しない姿を見せてきました。
しかし、西の十両９枚目で臨んだ先場所は初日から９連敗したあと両ひざのけがで休場して幕下に陥落し、今場所も初日から休場していました。
日本相撲協会は、２１日付けで千代の国が引退し、年寄名跡の佐ノ山を襲名することを理事会で承認したと発表しました。
千代の国は、中学生のときは柔道部に所属していて、当時の顧問だった濱野博臣さんは、「不屈の精神で、また戻ってくると思っていましたが、びっくりしました。彼の勝っても負けても気持ちのいい相撲に、勇気づけられてきました。ひとこと、本当にお疲れさまでしたと伝えたいです」と話していました。
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